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教皇の意向:子を失った親 (11月)

年間第二十五主日(9/24)

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わたしにとって、生きるとはキリストである。

フィリピ1:21
集会祈願

 いつも近くにおられる神よ、あなたの思いはすべてを越えてすべてに及び、いつくしみの深さははかり知れません。きょう一つに集まって神に心の愛を向けるわたしたちが、すべてにまさる神の愛を悟ることができますように。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々生き、支配しておられる御子、わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

🌸 第一朗読 (イザヤ55:6-9)

6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。
呼び求めよ、近くにいますうちに。
7神に逆らう者はその道を離れ
悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。
主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。
わたしたちの神に立ち帰るならば
豊かに赦してくださる。
8わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり
わたしの道はあなたたちの道と異なると
主は言われる。
9天が地を高く超えているように
わたしの道は、あなたたちの道を
わたしの思いは
あなたたちの思いを、高く超えている。

🌸 答唱詩編 詩編145 典18①④⑧

 いのちのあるすべてのものに、
  主は植物を恵まれる。

神よ、わたしはあなたをあがめ、
世々にあなたの力をたたえる。
すべてを越える神、
その偉大さははかりしれない。【答】

あなたは恵みとあわれみに満ち、
怒るにおそく、いつくしみ深い。
その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは
造られたすべてのもののうえにある。【答】

神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
助けを求めるすべての人と、
心から祈る人のそばに神はおられる。【答】

🌸 第二朗読 (フィリピ1:20c-24、27a)

 20〔皆さん、〕生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています。 21わたしにとって、生きるとはキリストであり、死ぬことは利益なのです。 22けれども、肉において生き続ければ、実り多い働きができ、どちらを選ぶべきか、わたしには分かりません。 23この二つのことの間で、板挟みの状態です。一方では、この世を去って、キリストと共にいたいと熱望しており、この方がはるかに望ましい。 24だが他方では、肉にとどまる方が、あなたがたのためにもっと必要です。
 27ひたすらキリストの福音にふさわしい生活を送りなさい

アレルヤ唱 典270 25A

 アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ

🌸 福音朗読 (マタイ20:1-16)

マタイによる福音

 1〔そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。〕「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。 2主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。 3また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、 4『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。 5それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。 6五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、 7彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。 8夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。 9そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。 10最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。 11それで、受け取ると、主人に不平を言った。 12『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』 13主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。 14自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。 15自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』 16このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」

奉納祈願

 神よ、あなたは一人ひとりが必要としているものをあたえてくださいます。ここに供えるパンとぶどう酒が、まことのいのちをもたらすものとなりますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

拝領祈願

父である神よ、きょうもわたしたちを遣わしてください。いただいた糧に強められ、一人ひとりが与えられた場の中で、神の国のために働くことができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 今日9月20日は、本来、敬老の祝福をする日とされていましたが、今年は新型コロナウィルス感染予防のため、例年行っている高齢者への祝福と祝賀会は中止することになりました。かわりに、該当する皆様には、主任司祭名で、お祝いに添えて、簡単なメッセージをお送りいたしました。ミサに参加なさっている高齢の皆さまには、心より祝福をお祈りいたします。

 先日、100歳で亡くなられた方の葬儀がありましたが、長寿は神様からの恵みです。長い年月の中で、信じられないほどのたくさんの経験をされ、それによって、多くの喜びを人々と分かち合ってこられたことはすばらしいことです。今日ミサに参加しておられる高齢者の方々お一人お一人も、素晴らしい出会い、経験を積み重ねてこられたことと思います。しかし年齢を重なることは必ずしも喜びばかりではない、とお考えの方もあるでしょう。たしかに、今まで一人でできたことができなくなったり、思いのまま動くこともままならなくなったりもいたします。しかし、そうした不自由、不本意を経験することは、同時に、神様の力を以前より一層強く感じる機会にもなります。

 わたし自身も高齢者の一人ですが、昨年1月に、はからずも教会内で転倒し骨折入院するということを経験しました。車いす、歩行器、杖に依存する歩行等を経て、ようやく現場に復帰する恵みをいただきました。しかし、この経験は、決して無駄ではなかったと思っています。自分の限界を知り、多くの方のお世話になることによって、多少とも、自分の小ささ、無力さを実感し、謙遜にさせていただいたと思っています。そうした経験を通して、今まで気づかなかった世界―特に、高齢者、また、障害をもった方々の世界―にも目を開くことができるようになりました。高齢者の皆さまが、日々の苦しみ、不安の中で、神様の愛に一層深く触れ、それを味わい、喜びを得られますようお祈りいたします。

 今日の福音はマタイだけが記す天の国のたとえです。朝早くから一日中汗水流して働いた労働者と、夕方になって働き始めた労働者が同じ報酬を受けるという話しです。人間の常識からすれば考えられないことで、労働基準局が知れば、決して放置しておかない不正で、社会正義に反する事例といってもよいでしょう。

 イエスは、あえて、そのような現実には考えられないたとえを語ることで、神の世界の独自性、人間の常識を超えた真理を伝えようとされました。この福音書を記した著者の意識の中には、教会の中にあった二つのグループ、つまり、昔から神に選ばれて、多くの恵みを受けてきたユダヤ人と、そうした恵みと一切かかわりがなかったにも拘わらず、イエスによって救いに与るようになった異邦人のことがあったと思われます。後から呼ばれたものが、先に呼ばれたものと同じ扱いを受ける、さらには、それ以上の祝福を受けることがあってよいのか、という疑問がユダヤ教からキリスト教に入った人々の中にあったのかもしれません。

 この話は、聖書にはじめて触れる人々に少なからずつまずきを与えていることも事実です。わたしたち自身も、腑に落ちないと感じる時があるかもしれません。しかし、イエスは、決して、人間の世界の常識、正義、法律等を無視しようとなさるわけではありません。イエスは、むしろ、そうした人間の世界の常識を超えた世界、神の世界(天の国)があり、それに対して、人間は開かれていなければならない。開かれてゆくことで、はじめて人間本来の満足、幸福を得ることができる、と主張なさるのです。

 今日の第一朗読で読まれたイザヤ預言書の中に、このような言葉がありました。「わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり、わたしの道はあなたたちの道と異なる。・・・

 天が地を高く超えているように、わたしの道は、あなたの道を、わたしの思いはあなたたちの思いを、高く超えている」と。神様の思いがいつもわたしたちの思いを超えたものであることを、イエスは様々なたとえで教えようとされました。それこそが、神の国の現実です。そのような神の国を人々に知らせ、そこに生きる喜びを伝えようと、命を懸けられたイエスの思いに、わたしたちも少しでも近づくことができますようお祈りいたしましょう。(S.T.)

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御言葉の典礼を読み続く🌸

聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
どうぞよろしくお願い致します。

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