聖ビンセンチオ・ア・パウロ司祭
集会祈願
🌸 第一朗読 (ゼカリヤ8.1-8)
1万軍の主の言葉が臨んだ。
2「万軍の主はこう言われる。
わたしはシオンに激しい熱情を注ぐ。
激しい憤りをもって熱情を注ぐ。
3主はこう言われる。
わたしは再びシオンに来て
エルサレムの真ん中に住まう。
エルサレムは信頼に値する都と呼ばれ
万軍の主の山は聖なる山と呼ばれる。
4万軍の主はこう言われる。
エルサレムの広場には
再び、老爺、老婆が座すようになる
それぞれ、長寿のゆえに杖を手にして。
5都の広場はわらべとおとめに溢れ
彼らは広場で笑いさざめく。
6万軍の主はこう言われる。
そのときになって
この民の残りの者が見て驚くことを
わたしも見て驚くであろうかと
万軍の主は言われる。
7万軍の主はこう言われる。
見よ、日が昇る国からも、日の沈む国からも
わたしはわが民を救い出し
8彼らを連れて来て、エルサレムに住まわせる。
こうして、彼らはわたしの民となり
わたしは真実と正義に基づいて
彼らの神となる。
🌸 答唱詩編 詩編111 典61 ②③
アレルヤ唱 典270 59
🌸 福音朗読 (ルカ9.46-50)
ルカによる福音
46〔そのとき、〕弟子たちの間で、自分たちのうちだれがいちばん偉いかという議論が起きた。 47イエスは彼らの心の内を見抜き、一人の子供の手を取り、御自分のそばに立たせて、 48言われた。「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」
49そこで、ヨハネが言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちと一緒にあなたに従わないので、やめさせようとしました。」 50イエスは言われた。「やめさせてはならない。あなたがたに逆らわない者は、あなたがたの味方なのである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
今日の福音の直前の箇所、イエスの二回目の受難の予告の後にも、弟子たちはその言葉が分からず、怖くて尋ねようとしなかった、とある。そして、今日の箇所では、イエスの思いとはまったく正反対な態度、つまり、自分たちの中でだれがいちばん偉いかと議論していたという。そして、その議論は、ルカによれば、受難の直前、最後の晩餐まで続く。
イエスから特別な招きを受け弟子となったものでさえ、聞きたくないこと、耳に痛いことは聞くことが出来ず、むしろ、人間的な思いに縛られ、真の自由とは程遠い状態にあったことを忘れてはならない。しかし、イエスは、彼らをお見捨てになることはなく、彼らの受け入れやすい例を用いて、優しく説かれる。つまり、一人の子どもの手を取って、御自分のそばに立たせて、言われる、「わたしの名のためにこの子どもを受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉いものである」と。
子どもは、ユダヤ人世界では、厄介な邪魔者、大人とは常に一線を画された存在、一個の人格として尊重されることなど全くなかった。それは、社会の中で、様々な理由で軽蔑され、排斥され、無視される人々、「小さな人々」の代表でもあった。イエスはそのような存在こそ、神の目には大事な存在だと教えられる。
自民党の総裁選挙の中で、「子ども庁」の設立が話題になっている。まさに、そうした課題が現代にまで続いていることを物語っているのではないか。(S.T.)