聖ヨハネ(十字架の)司教教会博士
集会祈願
🌸 第一朗読 (ズフャニヤ3.1-2、9-13)
1〔主は言われる。〕
災いだ、反逆と汚れに満ちた暴虐の都は。
2この都は神の声を聞かず
戒めを受け入れなかった。
主に信頼せず、神に近づこうとしなかった。
9その後、わたしは諸国の民に
清い唇を与える。
彼らは皆、主の名を唱え
一つとなって主に仕える。
10クシュの川の向こうから
わたしを礼拝する者
かつてわたしが散らした民が
わたしのもとに献げ物を携えて来る。
11その日には、お前はもはや
わたしに背いて行った、いかなる悪事のゆえにも
辱められることはない。
そのとき、わたしはお前のうちから
勝ち誇る兵士を追い払う。
お前は、再びわが聖なる山で
驕り高ぶることはない。
12わたしはお前の中に
苦しめられ、卑しめられた民を残す。
彼らは主の名を避け所とする。
13イスラエルの残りの者は
不正を行わず、偽りを語らない。
その口に、欺く舌は見いだされない。
彼らは養われて憩い
彼らを脅かす者はない。
🌸 答唱詩編 詩編34 典128 ①⑥
アレルヤ唱 典256 8
🌸 福音朗読 (マタイ21.28-32)
マタイによる福音
28〔そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。〕「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。 29兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。 30弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。 31この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。 32なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
神殿でイエスが祭司長や長老たちとされたやり取りの中の話です。待降節にこの個所が読まれるのは、洗礼者ヨハネの名前が出るからでしょうか。
父親の願いに対して、兄弟であってもまるで対応が異なります。一人は行かないと言って、後で考え直して行き、他は、行くと言って、後で前言を翻します。ヨハネが神の道を説いても、イエスが同じ言葉を語っても、まさかと思うような人々が、素直に聞き従い、当然受け入れると思われた人たちが、無視する態度をとり続ける。人々から軽蔑の目で見られていた徴税人や娼婦たちの方が、神のことをよく知っていると思われた宗教指導者たちよりも、神の言葉を受け入れ、先に神の国に入るという不思議です。
これは、イエスに始まったことではありません。はるか昔の旧約の文書の中でも、同様のことが語られています。神の言葉を聞いて従う人は祝福され、それを聞いても、すぐに忘れてしまったり、無視したりする人は呪われる、と申命記記者はモーセに語らせています。
しかし、イエスは決して人々を二分するために、そうしたことを言われるのではありません。むしろ、神は人々が心を入れ替える、回心すること、たとえ、すぐに応じられなかった人にも、考えを変える機会が与えられることを教えておられるのです。待降節は、主の到来を待つ時ですが、実は、人間以上に、神が人々の回心を待っておられることを忘れてはならないのです。(S.T.)