集会祈願
🌸 第一朗読 (ヤコブ3:1-10)
使徒ヤコブの手紙
1わたしの兄弟たち、あなたがたのうち多くの人が教師になってはなりません。わたしたち教師がほかの人たちより厳しい裁きを受けることになると、あなたがたは知っています。 2わたしたちは皆、度々過ちを犯すからです。言葉で過ちを犯さないなら、それは自分の全身を制御できる完全な人です。 3馬を御するには、口にくつわをはめれば、その体全体を意のままに動かすことができます。 4また、船を御覧なさい。あのように大きくて、強風に吹きまくられている船も、舵取りは、ごく小さい舵で意のままに操ります。 5同じように、舌は小さな器官ですが、大言壮語するのです。
御覧なさい。どんなに小さな火でも大きい森を燃やしてしまう。 6舌は火です。舌は「不義の世界」です。わたしたちの体の器官の一つで、全身を汚し、移り変わる人生を焼き尽くし、自らも地獄の火によって燃やされます。 7あらゆる種類の獣や鳥、また這うものや海の生き物は、人間によって制御されていますし、これまでも制御されてきました。 8しかし、舌を制御できる人は一人もいません。舌は、疲れを知らない悪で、死をもたらす毒に満ちています。 9わたしたちは舌で、父である主を賛美し、また、舌で、神にかたどって造られた人間を呪います。 10同じ口から賛美と呪いが出て来るのです。わたしの兄弟たち、このようなことがあってはなりません。
🌸 答唱詩編 詩編 典
アレルヤ唱 典
🌸 福音朗読 (マルコ9:2-13)
マルコによる福音
〔そのとき、〕イエスは、ただペトロ、ヤコブ、ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、 3服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。 4エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。 5ペトロが口をはさんでイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」 6ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。弟子たちは非常に恐れていたのである。 7すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」 8弟子たちは急いで辺りを見回したが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが彼らと一緒におられた。
9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまでは、今見たことをだれにも話してはいけない」と弟子たちに命じられた。 10彼らはこの言葉を心に留めて、死者の中から復活するとはどういうことかと論じ合った。 11そして、イエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。 12イエスは言われた。「確かに、まずエリヤが来て、すべてを元どおりにする。それなら、人の子は苦しみを重ね、辱めを受けると聖書に書いてあるのはなぜか。 13しかし、言っておく。エリヤは来たが、彼について聖書に書いてあるように、人々は好きなようにあしらったのである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
2月4日から始まった北京オリンピックは20日に閉会式を迎える。厳冬の世界での若者たちの活躍は目を見張るばかり。メダルを手にした選手ばかりでなく、参加したすべての選手、参加に向けて努力したすべての選手に拍手を贈りたい。
今日の聖書朗読は、こうした人間の世界の営みと、一見、まったく関係がないように思えるが、必ずしもそうではない。高い山の上で、「イエスの姿が彼らの目の前で変わり、服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった」と、マルコは記す。しかし、弟子たちが、この変容の出来事の直前に、イエスから、自らが受ける受難について告げられたことを忘れてはならない。
変容の出来事はよく、受難の話を聞いて落ち込む弟子たちを慰め力づけるためだったと説明される。しかし、より根本において、栄光に輝く神の子が、わたしたち、汚辱に満ちた人間の世界に人となられ、そこで人間が味わうすべての苦しみを自分のものとされたことを、思い起こさなければならない。
そして、この人となられた神の子イエスこそ、エリヤとモーセによって代表される旧約時代の人々が待ち望んでいた方であり、「わたしの愛する子。これに聞け」という雲の中からの声が語ったように、わたしたちが聞き従うよう与えられた方なのだ。
栄光に満ちた神の世界から、人となってわたしたちの間で生き、人間と同じように苦しみ、その死を通して、栄光に入り、わたしたちをそこに招き入れてくださる神の大いなる愛の計画を、今日、あらためて心に刻もう。(S.T.)