年間第二十九水曜日(10/23)
すべて多く与えられた者は、多く求められ、
集会祈願
🌸 第一朗読 (エフェソ3:2-12)
使徒パウロのテモテへの手紙
2〔皆さん、〕あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。 3初めに手短に書いたように、秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。 4あなたがたは、それを読めば、キリストによって実現されるこの計画を、わたしがどのように理解しているかが分かると思います。 5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や“霊”によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。 6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。 7神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。 8この恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。わたしは、この恵みにより、キリストの計り知れない富について、異邦人に福音を告げ知らせており、 9すべてのものをお造りになった神の内に世の初めから隠されていた秘められた計画が、どのように実現されるのかを、すべての人々に説き明かしています。 10こうして、いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのですが、 11これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。 12わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。
🌸 答唱詩編 詩編イザヤ12:4,5 典164 ②③
アレルヤ唱 典
🌸 福音朗読 (ルカ12:39-48)
ルカによる福音
39〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒がいつやって来るかを知っていたら、自分の家に押し入らせはしないだろう。 40あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」
41そこでペトロが、「主よ、このたとえはわたしたちのために話しておられるのですか。それとも、みんなのためですか」と言うと、 42主は言われた。「主人が召し使いたちの上に立てて、時間どおりに食べ物を分配させることにした忠実で賢い管理人は、いったいだれであろうか。 43主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。 44確かに言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。 45しかし、もしその僕が、主人の帰りは遅れると思い、下男や女中を殴ったり、食べたり飲んだり、酔うようなことになるならば、 46その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ目に遭わせる。 47主人の思いを知りながら何も準備せず、あるいは主人の思いどおりにしなかった僕は、ひどく鞭打たれる。 48しかし、知らずにいて鞭打たれるようなことをした者は、打たれても少しで済む。すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るから。」イエスの弟子に求められるのは、思いがけないときに帰ってくる主人を待つ僕に求められる態度。
現代人は、「思いがけない」ことが苦手である。「想定外」という言葉もよく聞く。その裏に、すべては管理され、予定通りに事が進む、という思い込み。個人の生活においても、組織の運営においても、毎日、日課があり、来週のこと、来月のこと、さらには1年先、2年先まで、予定表がある。時に、一分、一秒まで決まっているかもしれない。それが少しでも狂うとパニックになる。電車やバスが、時間通りに来ない。搭乗予定の飛行機が飛ばない。そんなことはあってはならないし、あれば、必ず、責任を追及される。どこかで、時間は人間が管理するもの、人間が支配するもの、人生も自分のもの、という先入観が潜んでいる。文明が、技術の進歩が生み出した、傲慢な思い込みかもしれない。
イエスが生きられた時代、世の終わりが近い、という思いが社会に浸透していた。どこかに緊張感があった。だから、イエスの言葉には迫力があった。しかし、イエスの十字架の死も、エルサレム神殿の崩壊も、世の終わりにつながらなかった。いつともしれない終わりの前に、緊張感が薄れ、退廃的空気が流れていたのかもしれない。 しかし、一人一人の人生の終わりは、必ず来る。しかも、思いがけないときに。だから、今の時を大事にし、その時のために用意していなさい、とイエスは言われる。(S.T.)