年間第二十三水曜日(9/11)
神の国はあなたがたのものである
集会祈願
🌸 第一朗読 (一コリント7:25-31)
使徒パウロのコリントの教会への手紙
25〔皆さん、〕未婚の人たちについて、わたしは主の指示を受けてはいませんが、主の憐れみにより信任を得ている者として、意見を述べます。 26今危機が迫っている状態にあるので、こうするのがよいとわたしは考えます。つまり、人は現状にとどまっているのがよいのです。 27妻と結ばれているなら、そのつながりを解こうとせず、妻と結ばれていないなら妻を求めてはいけない。 28しかし、あなたが、結婚しても、罪を犯すわけではなく、未婚の女が結婚しても、罪を犯したわけではありません。ただ、結婚する人たちはその身に苦労を負うことになるでしょう。わたしは、あなたがたにそのような苦労をさせたくないのです。 29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、 30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、 31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。
🌸 答唱詩編 詩編45 典36 ④⑤
アレルヤ唱 典271 ⑧
🌸 福音朗読 (ルカ6:20-26)
ルカによる福音
20〔そのとき、〕イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。
「貧しい人々は、幸いである、
神の国はあなたがたのものである。
21今飢えている人々は、幸いである、
あなたがたは満たされる。
今泣いている人々は、幸いである、
あなたがたは笑うようになる。
22人々に憎まれるとき、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである。 23その日には、喜び踊りなさい。天には大きな報いがある。この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである。
24しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、
あなたがたはもう慰めを受けている。
25今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、
あなたがたは飢えるようになる。
今笑っている人々は、不幸である、
あなたがたは悲しみ泣くようになる。
26すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
山から下りて平なところに立ち、大勢の群衆に取り囲まれたイエスが教えを宣べられる。マタイの山上の説教の冒頭を飾る有名な真福八端のルカ版。ルカは「幸い」を四点に絞り、さらに、反対命題をそえている。
いずれにしても、イエスの教えの真骨頂とも言うべきもの。旧約には全くない考えかと言えば決してそうではない。聖母マリアのマグニフィカトの下敷きとなったサムエルの母となるハンナの祈りに、「貧しい者、飢えている者」(1サムエル2.1∼8)への神のいつくしみが歌われている。詩編の中では、掟を守り正しく生きる人の幸いを述べるものが圧倒的に多いが、「飢えている人、虐げられている人、神を頼みとする人」の幸いを歌う詩編も少なくない。預言者の教えにも、それは、はっきりと打ち出されている。
旧約時代には、控えめに語られてきた貧しい人の幸いをイエスは、正面から取り上げ強調する。それは、すでに、正しい人が必ずしも地上で報われないという現実があり、それについての思索が深められてきた歴史もあるだろう。さらには、イエス自身が言葉で教えるだけでなく、自ら貧しいものとなられ、人々からも非難され、侮辱される経験を積まれたこと、そして、十字架の死という貧しさの極みを受けることを通して、神だけが与える真の幸せをもたらしくださったからだろう。
小さなものとされる経験によって、はじめて自分のものにすることができるイエスの教えに、少しでも近づく恵みを祈ろう。(S.T.)