年間第八火曜日(5/28)
集会祈願
🌸 第一朗読 (一ペトロ1.10-16)
使徒ペトロの手紙
10この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。 11預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。 12彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。
13だから、いつでも心を引き締め、身を慎んで、イエス・キリストが現れるときに与えられる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。 14無知であったころの欲望に引きずられることなく、従順な子となり、 15召し出してくださった聖なる方に倣って、あなたがた自身も生活のすべての面で聖なる者となりなさい。 16「あなたがたは聖なる者となれ。わたしは聖なる者だからである」と書いてあるからです。
🌸 答唱詩編 詩編98 典149 ①②
アレルヤ唱 典271 ⑫
🌸 福音朗読 (マルコ10.28-31)
マルコによる福音
28〔そのとき、〕ペトロがイエスに、「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」と言いだした。 29イエスは言われた。「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、 30今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。 31しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」。イエスの言葉を聞いて、財産のある者が悲しみながら立ち去り、金持ちが神の国に入ることがどれほど難しいか説かれた後のペトロの言葉。いかにも、イエスに従ってきた自分たちが、彼らとは違うことを誇らしげに語っているように聞こえる。
財産のあるものは、律法を守ることを、自分の業績のように思っていたが、ペトロは、自分たちが財産を一切捨てたことを誇りに思ってイエスに話しかける。マタイは、さらに、「では、わたしたちは何をいただけるのでしょうか」と問う言葉を加えることで、ペトロの本音をうかがわせている。
しかし、いずれも、イエスが強調しようとされた、救いは、人間の力・努力とは別次元のこと、神の恵み、神からの無償の賜物であるということからは、遠く離れていると感じさせないだろうか。それでも、イエスは、ペトロに言われる、「わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子ども、畑を捨てた者はだれでも、今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子ども、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける」と。
自分のものと思っていたものを手放し、小さなものになること、それ自体、恵みをいただくにふさわしい状態にすることは確かである。そのために、たとえ、迫害のような厳しい現実にさらされたとしても、それにまさる、大きな恵みを、この世でいただき、さらに、来たるべき世においては、一層大きな神の命に与らせていただく約束が与えられているのである。(S.T.)