人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである
集会祈願
🌸 第一朗読 (黙示録3:1-6、14-22)
ヨハネの黙示
〔わたしヨハネは、主がこう語りかけるのを聞いた。〕〔サルデイスにある教会の天使にこう書き送れ。〕
1『神の七つの霊と七つの星とを持っている方が、次のように言われる。「わたしはあなたの行いを知っている。あなたが生きているとは名ばかりで、実は死んでいる。 2目を覚ませ。死にかけている残りの者たちを強めよ。わたしは、あなたの行いが、わたしの神の前に完全なものとは認めない。 3だから、どのように受け、また聞いたか思い起こして、それを守り抜き、かつ悔い改めよ。もし、目を覚ましていないなら、わたしは盗人のように行くであろう。わたしがいつあなたのところへ行くか、あなたには決して分からない。 4しかし、サルディスには、少数ながら衣を汚さなかった者たちがいる。彼らは、白い衣を着てわたしと共に歩くであろう。そうするにふさわしい者たちだからである。 5勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。わたしは、彼の名を決して命の書から消すことはなく、彼の名を父の前と天使たちの前で公に言い表す。 6耳ある者は、“霊”が諸教会に告げることを聞くがよい。」』
14ラオディキアにある教会の天使にこう書き送れ。『アーメンである方、誠実で真実な証人、神に創造された万物の源である方が、次のように言われる。 15「わたしはあなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく熱くもない。むしろ、冷たいか熱いか、どちらかであってほしい。 16熱くも冷たくもなく、なまぬるいので、わたしはあなたを口から吐き出そうとしている。 17あなたは、『わたしは金持ちだ。満ち足りている。何一つ必要な物はない』と言っているが、自分が惨めな者、哀れな者、貧しい者、目の見えない者、裸の者であることが分かっていない。 18そこで、あなたに勧める。裕福になるように、火で精錬された金をわたしから買うがよい。裸の恥をさらさないように、身に着ける白い衣を買い、また、見えるようになるために、目に塗る薬を買うがよい。 19わたしは愛する者を皆、叱ったり、鍛えたりする。だから、熱心に努めよ。悔い改めよ。 20見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。 21勝利を得る者を、わたしは自分の座に共に座らせよう。わたしが勝利を得て、わたしの父と共にその玉座に着いたのと同じように。 22耳ある者は、“霊”が諸教会に告げることを聞くがよい。」』」
🌸 答唱詩編 詩編15 典101 ①②
答:しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩むもの。
神よ、あなたの幕屋に泊まる人、
あなたのとうとい山を住まいとする人はだれ。
それはとがなく歩み、正義を行い、
心からまことをかたる人。【答】
ことばで人をきずつけず、
悪を行わず、隣人をはずかしめない。
神を捨てた者を戒め、神をおそれる者をとうとぶ。
このようにふるまう人は、とこしえにゆらぐことがない。【答】
アレルヤ唱 典268 ㉕
アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの罪のゆるしのために、ひとり子を遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (ルカ19:1-10)
ルカによる福音
1〔そのとき、〕イエスはエリコに入り、町を通っておられた。 2そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。 3イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。 4それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。 5イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」 6ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。 7これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」 8しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」 9イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。 10人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
ザアカイという名の徴税人の話。メシアのうわさもあるイエスが通りかかることを耳にし、一目見ようとやってきますが、背が低かったため群衆にさえぎられて見ることができません。イエスは、すぐにザアカイに気づき声をかけ、彼の家の客人となり、一夜をともに過ごします。ユダヤ人にはとうてい考えられないことで、早速、非難の声が聞こえます。「あの人は罪深い男のところに行って、宿をとった」と。
ザアカイがどんな悪事を働いたかは記されていませんが、徴税人の頭ということで、人々からは人々の弱さにつけ込み、私腹を肥やす大悪党のように思われていたのでしょう。しかし、思いがけず、イエスから声をかけられ、自宅にまで迎え入れたザアカイは言います、「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します」と。イエスとの出会い、そして、思いもよらないイエスのいつくしみに満ちた声掛けに、ザアカイの凍りついた心は一気に溶かされます。そんな男にイエスは言われます、「今日、救いがこの家を訪れた」と。イエスとの出会いが、それまでの生き方と訣別し、新しい心で人生をやり直す一大決心を起こさせたのです。
イスラエルの人々が心の中に築いてきた壁を打ち崩し、異邦人、罪人、病人、貧者等、様々な形で差別を受けてきた社会的弱者を、限りない愛をもって迎え入れる父なる神の愛、イエスが生涯をかけて証しされたその愛に少しでも近づく恵みを祈りましょう。(S.T.)
そういえば、ミサと図書館とベンチも楽しい。
そして、路上も。
お金も名誉も、なんにも必要ない楽しみこそが、至福じゃないかな、って思う。
ふと山下達郎の♬『蒼氓』
竹内まりやの♬quiet life
を想い出した。
人口が爆発的に増加しているとの趣旨の発表が国連からあった。
昨日と今日の福音と分かち合い。
世界・世間から排除され、抹殺された人びと、underにstandしている人びと。そして今日のザアカイのように、みんなから浮いている人。
outcast。
自分がそうであっても、相手がそうであっても、
そして、互いにそうであっても、
一対一や少人数で心からの対話をしたり、さりげなく日差しをともに感じたり。
そんな時間を大切にすれば、
様々な問題は解決すると、
旧友との長電話のあとに、ふと思った。
互いの誤解や集団的誤謬を減らすには、無駄のように思う時間も必須だろう。
互い、ぼつぼつ、遅い食事を取ろう、と電話を終えた。