年間第六木曜日（2/20）
「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」
🌸 第一朗読 （創世記9：1－13）
創世記
1神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。
「産めよ、増えよ、地に満ちよ。 2地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。 3動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。 4ただし、肉は命である血を含んだまま食べてはならない。 5また、あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。いかなる獣からも要求する。人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。
6人の血を流す者は
人によって自分の血を流される。
人は神にかたどって造られたからだ。
7あなたたちは産めよ、増えよ
地に群がり、地に増えよ。」
8神はノアと彼の息子たちに言われた。
9「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。 10あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。 11わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
12更に神は言われた。
「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。 13すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。
🌸 答唱詩編 詩編111 典61 ②③
答：神は残された、不思議なわざの記念を。
神のわざは力と輝きに満ち、
その正義はとこしえに及ぶ。
神は恵み豊かであわれみ深く、
とこしえに契約を心に留めてくださる。【答】
神のわざにはまこととめぐみ、
すべての定めはゆるぎなく、
世よ、とこしえにすえられ、
ただしさとまことに基づいている。【答】
アレルヤ唱 典269㉟
アレルヤ・アレルヤ。主よ、あなたの言葉は霊であり、いのちです。あなたは永遠のいのちの言葉を持っておられる。アレルヤ・アレルヤ。
🌸 福音朗読 （マルコ8：27－33）
マルコによる福音
〔そのとき、〕イエスは、弟子たちとフィリポ・カイサリア地方の方々の村にお出かけになった。その途中、弟子たちに、「人々は、わたしのことを何者だと言っているか」と言われた。 28弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」 29そこでイエスがお尋ねになった。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「あなたは、メシアです。」 30するとイエスは、御自分のことをだれにも話さないようにと弟子たちを戒められた。
31それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と弟子たちに教え始められた。 32しかも、そのことをはっきりとお話しになった。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。 33イエスは振り返って、弟子たちを見ながら、ペトロを叱って言われた。「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」
🌸 分かち合い
「イエスは誰か」、これは、イエスの時代の人々、弟子たちだけでなく、現代に至るまで、繰り返し、問われてきた重い質問。あの心打つ教えを説き、病に苦しむ人々に癒しの恵みを注ぎ、様々な不思議を行うイエスは一体だれなのか。人々の間では、様々なうわさが飛び交う。その中で、ペトロは、人々の見解に反して、「あなたはメシア（キリスト）です」と答える。勇気ある立派な答えだが、どこまでその意味を理解していたのだろうか。イエスは、その答えに満足するどころか、そのことを誰にも話すな、と言われる。
さらに、追い打ちをかけるかのように、弟子たちに向って、自分が苦しみを受け、指導者たちから排斥され殺されること、そして、三日の後に復活することを明言される。意外な師の発言に動揺したペトロは、イエスをわきへお連れし、諫め始めた。マタイは、言葉を添えて、「とんでもないことです。そんなことはあってはなりません」と言ったと記す。
苦しみを受けて殺されるメシア、だれがそのようなことを想像しただろうか。しかし、イエスは言われる、「サタン、引き下がれ。あなたは神の事を思わず、人間のことを思っている」と。
はたして、あなたは、そして、わたしは、イエスを誰だと思っているか。あなたにとって、イエスは何者なのか。この問いは、一人一人の生涯の中で、繰り返し、投げかけられるかもしれない。通り一遍の答えではなく、これだけの人生を歩んで来た者として、どう答えるか。今日も、また、問われている。(S.T.)