イエスが多くの病人をいやされた
🌸 第一朗読 (サムエル上18.6-9、19.1-7)
サムエル記
6〔その日、〕皆が戻り、あのペリシテ人を討ったダビデも帰って来ると、イスラエルのあらゆる町から女たちが出て来て、太鼓を打ち、喜びの声をあげ、三絃琴を奏で、歌い踊りながらサウル王を迎えた。 7女たちは楽を奏し、歌い交わした。
「サウルは千を討ち
ダビデは万を討った。」
8サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った。「ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。」 9この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった。
1サウルは、息子のヨナタンと家臣の全員に、ダビデを殺すようにと命じた。しかし、サウルの息子ヨナタンはダビデに深い愛情を抱いていたので、 2ダビデにこのことを告げた。「わたしの父サウルはあなたを殺そうとねらっている。朝になったら注意して隠れ場にとどまり、見つからないようにしていなさい。 3あなたのいる野原にわたしは出て行って父の傍らに立ち、あなたについて父に話してみる。様子を見て、あなたに知らせよう。」
4ヨナタンは父サウルにダビデをかばって話した。「王がその僕であるダビデのゆえに、罪を犯したりなさいませんように。彼は父上に対して罪を犯していないばかりか、大変お役に立っているのです。 5彼が自分の命をかけてあのペリシテ人を討ったから、主はイスラエルの全軍に大勝利をお与えになったのです。あなたはそれを見て、喜び祝われたではありませんか。なぜ、罪なき者の血を流し、理由もなくダビデを殺して、罪を犯そうとなさるのですか。」 6サウルはヨナタンの言葉を聞き入れて誓った。「主は生きておられる。彼を殺しはしない。」
7ヨナタンはダビデを呼んで、これをすべて彼に告げた。ヨナタンはサウルのもとにダビデを連れて行き、ダビデはこれまでどおりサウルに仕えることになった。
🌸 答唱詩編 詩編56 典175①②
わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。
神よ、あわれみを注いでください。
わたしは昼も夜もしいたげられ、
はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。
恐れにとらえられるとき、
わたしはあなたにより頼む。
わたしはあなたに助けを求め、
神がともにおられることを知るようになる。
アレルヤ唱 典273 30B
アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マルコ3.7-12)
マルコによる福音
7〔その時、〕イエスは弟子たちと共に湖の方へ立ち去られた。ガリラヤから来たおびただしい群衆が従った。また、ユダヤ、 8エルサレム、イドマヤ、ヨルダン川の向こう側、ティルスやシドンの辺りからもおびただしい群衆が、イエスのしておられることを残らず聞いて、そばに集まって来た。 9そこで、イエスは弟子たちに小舟を用意してほしいと言われた。群衆に押しつぶされないためである。 10イエスが多くの病人をいやされたので、病気に悩む人たちが皆、イエスに触れようとして、そばに押し寄せたからであった。 11汚れた霊どもは、イエスを見るとひれ伏して、「あなたは神の子だ」と叫んだ。 12イエスは、自分のことを言いふらさないようにと霊どもを厳しく戒められた。
🌸 分かち合い
福音書の3章、まだ、はしりの部分に、マルコは、イエスの働きのまとめを記している。それはイエス自身の働きよりも、人々の間に起きた反応に焦点が置かれているようにも見える。一方で、昨日読まれた箇所にあったように、ファリサイ派の人々はヘロデ派の人々とイエスを亡き者にする相談をする。他方で、後にイエスが訪れるであろう周辺のあらゆる地域にイエスの噂が飛び交い、人々はイエスのもとに押し寄せてくる。「おびただしい群衆」とマルコは2回も強調する。「群衆に押しつぶされない」ようにと、イエスは弟子たちに小舟まで用意させる。
そうした光景を見ただけで、ファリサイ派の人々だけでなく、当時の支配者たちも、ただちに現体制に対する脅威を感じたに違いない。しかし、イエスは、彼らとは別の意味で、人々の反応を警戒された。それは、イエスについての人々の理解が、イエス本来の使命を脅かすものだったからである。イエスにもっぱら病気の癒しを求める人々が殺到し、そこに神の力を察知した霊が「あなたは神の子だ」と言ったとき、「イエスは、自分のことを言いふらさないようにと霊どもを厳しく戒められた」とある。ヨハネは、パンの増加の出来事の後、人々が自分を王にしようとしていることを知り、ひそかに山に退かれたと記す。イエスは、まさに、そのような人々の思惑がうずまく現実の中に身を置き、そこで救いの業を全うされたことをマルコは記そうとしたのだろうか。(S.T.)
