年間第二十二木曜日(9/5)
恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。
集会祈願
🌸 第一朗読 (一コリント3:18-23)
使徒パウロのコリントの教会への手紙
18〔皆さん、〕だれも自分を欺いてはなりません。もし、あなたがたのだれかが、自分はこの世で知恵のある者だと考えているなら、本当に知恵のある者となるために愚かな者になりなさい。 19この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです。
「神は、知恵のある者たちを
その悪賢さによって捕らえられる」
と書いてあり、 20また、
「主は知っておられる、
知恵のある者たちの論議がむなしいことを」
とも書いてあります。 21ですから、だれも人間を誇ってはなりません。すべては、あなたがたのものです。 22パウロもアポロもケファも、世界も生も死も、今起こっていることも将来起こることも。一切はあなたがたのもの、 23あなたがたはキリストのもの、キリストは神のものなのです。
🌸 答唱詩編 詩編24 典158 ①②
アレルヤ唱 典268 ⑪
🌸 福音朗読 (ルカ5:1-11)
ルカによる福音
1〔そのとき、〕イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。 2イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟から上がって網を洗っていた。 3そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。 4話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。 5シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。 6そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。 7そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。 8これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。 9とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。 10シモンの仲間、ゼベダイの子のヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに言われた。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」 11そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
弟子たちがイエスの招きに応えて、彼に従ってゆく場面は、どの福音にも記されているが、細部になると微妙に違う。マルコやマタイは、イエスに出会った弟子が、イエスから声をかけられて、直ちに従ったように記されているが、ルカは、弟子たちが不思議な大漁を経験し、イエスの人間を超えた大いなる力を実感したことを強調している。
大の男が、一声かけられただけで従っていったとはなかなか考えにくく、ルカの方がよほど受け入れやすい。ルカは記す、「先生、わたしたちは夜通し苦労しましたが、何も取れませんでした」と。漁にかけてはプロの弟子たちは、その日は無理だと判断したであろうが、「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答え、網を降ろすと夥しい魚がかかったという。すでに神の大きな力、導きが働いていたのだろうか。それを受け入れる素地が彼らにあったのだろうか。
たしかに、彼らは、その不思議な漁の体験の中に、神の働きを感じたに違いない。神を感じる時、人間は自らの弱さ、罪深さを意識させられ、恐れに捉われることは旧約聖書がよく記すところである。
イエスは言われる、「恐れることはない。今から後、あなたは人間を取る漁師になる」と。神との何らかの出会いを経験したものは、思いがけない使命をいただくものではないか。(S.T.)