年間第十三木曜日(7/4)
子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される
集会祈願
🌸 第一朗読 (アモス7:10-17)
アモスの預言
〔その日、〕ベテルの祭司アマツヤは、イスラエルの王ヤロブアムに人を遣わして言った。 「イスラエルの家の真ん中で、アモスがあなたに背きました。この国は彼のすべての言葉に耐えられません。
11アモスはこう言っています。
『ヤロブアムは剣で殺される。
イスラエルは、必ず捕らえられて
その土地から連れ去られる。』」
12アマツヤはアモスに言った。
「先見者よ、行け。ユダの国へ逃れ、そこで糧を得よ。そこで預言するがよい。 13だが、ベテルでは二度と預言するな。ここは王の聖所、王国の神殿だから。」 14アモスは答えてアマツヤに言った。「わたしは預言者ではない。預言者の弟子でもない。わたしは家畜を飼い、いちじく桑を栽培する者だ。
15主は家畜の群れを追っているところから、わたしを取り、『行って、わが民イスラエルに預言せよ』と言われた。 16今、主の言葉を聞け。あなたは、『イスラエルに向かって預言するな、イサクの家に向かってたわごとを言うな』と言う。
17それゆえ、主はこう言われる。
お前の妻は町の中で遊女となり
息子、娘らは剣に倒れ
土地は測り縄で分けられ
お前は汚れた土地で死ぬ。
イスラエルは、必ず捕らえられて
その土地から連れ去られる。」
🌸 答唱詩編 詩編19 典124①②
アレルヤ唱 典270㊾
🌸 福音朗読 (マタイ9:1-8)
マタイによる福音
〔その時、〕イエスは舟に乗って湖を渡り、自分の町に帰って来られた。 2すると、人々が中風の人を床に寝かせたまま、イエスのところへ連れて来た。イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される」と言われた。 3ところが、律法学者の中に、「この男は神を冒瀆している」と思う者がいた。 4イエスは、彼らの考えを見抜いて言われた。「なぜ、心の中で悪いことを考えているのか。 5『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。 6人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に、「起き上がって床を担ぎ、家に帰りなさい」と言われた。 7その人は起き上がり、家に帰って行った。 8群衆はこれを見て恐ろしくなり、人間にこれほどの権威をゆだねられた神を賛美した。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
イエスは、様々な病人を癒され、不思議な癒しの力をもつ人として、人々から注目されたが、今日の個所は、病気の癒しだけでなく、罪のゆるしが大きく絡んでいる。
人々が中風の人を床に寝かせたまま、イエスのところに連れてくる。イエスは、人々の期待に応えて、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される」と言われる。人々の願いは、病気の癒しであり、内心にかかわることに思いは及ばない。今でも、人が病気になれば、病院に連れてゆき、治療をお願いする。しかし、その内心のことまで、たとえ身内のものでも、触れることはしないし、医者にそこまで期待しない。
昔からの病気が罪の結果だという考えはイエスの時代にも根強く残っていたが、罪の赦しは、神の世界のことで、人間の力が及ぶものではない、と考えられていた。だから、ゆるしを得るために神に犠牲を捧げることはしても、預言者でさえ、罪の赦しを宣言することはなかった。従って、イエスが「あなたの罪は赦される」と言われたとき、律法学者たちは、「この男は神を冒涜している」と心の中で考えた。人間でありながら、神の世界に踏み込んだと考えたのだ。
神は、人間の肉体の健康以上に、心の健康に心を配られる。神との和解、人との和解、自分自身との和解、それがなければ、真の幸せは訪れない。そして、イエスは、御自分が肉体の病以上に、人を苦しめる罪から解放するものであることを証しするために、中風の人の病をいやされる。それによって、御自分がまさに、神からのものであり、罪を赦し、人に真の幸せをもたらす権能を持つことを証しされたのだ。(S.T.)