主の変容(8/6)
これはわたしの愛する子。これに聞け。
集会祈願
聖なる父よ、御子キリストは栄光の姿のうちに現れ、聖書の言葉を通して、弟子たちに救いの神秘を説き、神の子供となる素晴らしさを示されました。御ひとり子の声に従う私たちが、キリストと共にあなたの国を継ぐものとなりますように。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 第一朗読 (ダニエル7.9-10、13-14)
9〔わたしが〕見ていると、
王座が据えられ
「日の老いたる者」がそこに座した。
その衣は雪のように白く
その白髪は清らかな羊の毛のようであった。
その王座は燃える炎
その車輪は燃える火
10その前から火の川が流れ出ていた。
幾千人が御前に仕え
幾万人が御前に立った。
裁き主は席に着き
巻物が繰り広げられた。
13夜の幻をなお見ていると、
見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り
「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
14権威、威光、王権を受けた。
諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
彼の支配はとこしえに続き
その統治は滅びることがない。
(または 二ペトロ1.16-19)
16〔愛する皆さん、〕わたしたちの主イエス・キリストの力に満ちた来臨を知らせるのに、わたしたちは巧みな作り話を用いたわけではありません。わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。 17荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」というような声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました。 18わたしたちは、聖なる山にイエスといたとき、天から響いてきたこの声を聞いたのです。 19こうして、わたしたちには、預言の言葉はいっそう確かなものとなっています。夜が明け、明けの明星があなたがたの心の中に昇るときまで、暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください。
🌸 答唱詩編 詩編97 典25 ①②
答 栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。
神の王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
神は霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。 【答】
天は神正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。 【答】
アレルヤ唱 典266(主の変容)
アレルヤ、アレルヤ。これはわたしの意にかなう愛する子。彼に聞け。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マルコ9.2-10)
マルコによる福音
2〔その時、〕イエスは、ただペトロ、ヤコブ、ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、 3服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。 4エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。 5ペトロが口をはさんでイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」 6ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。弟子たちは非常に恐れていたのである。 7すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」 8弟子たちは急いで辺りを見回したが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが彼らと一緒におられた。
9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまでは、今見たことをだれにも話してはいけない」と弟子たちに命じられた。 10彼らはこの言葉を心に留めて、死者の中から復活するとはどういうことかと論じ合った。
奉納祈願
父である神よ、御ひとり子の栄光をたたえてささげるこの供えものをとうといものにし、キリストの輝きによって、わたしたちの心病みを照らしてください。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
拝領祈願
聖なる父よ、あなたは御子の変容の輝きのうちに、その栄光の姿を示してくださいました。この祝日にいただいた命の糧によって、わたしたちがキリストの姿に変えられていきますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 分かち合い
異常な暑さとコロナ禍の中で、東京オリンピックが終盤を迎えています。しかし、忘れてはならないのは、78年前の今日、8月6日は、広島に原爆が投下され、約14万人を超える犠牲者が出た日であることです。
広島では、昨日から一連の平和行事が始まり、今日も早朝から、「原爆とすべての戦争犠牲者のためのミサ」が捧げられます。あらためて、一瞬にして自らの命をはじめとして、身内の方々、家、財産、そうしたすべてを失われた多くの方々の犠牲を悼み、負傷者の治療・支援に尽くされた方々、その後、町の復興のために尽力された無数の方々のために感謝と敬意を捧げましょう。そして、この日、広島に思いを向ける時、かつて広島を訪れたヨハネ・パウロ2世が、「過去を振り返ることは、将来に対する責任をになうことです」と言われたように、あの大きな犠牲が、将来のよりよい社会、平和な世界を作るための、強い動機になるよう、祈りましょう。
8月6日は、神の特別なはからいによって、全世界の教会が「主の変容」を祝う日と重なります。日々生活を共にしてきた主が、ある日、突然、地上のものとも思えない輝きに満ちた姿に変わられ、驚き以上の深い衝撃を受けました。まさに、そこに神がおられるとの実感を覚えたのです。しかし、それは、ほんのわずかな時間の中の経験でした。やがて訪れる復活体験の前触れだったのでしょうか。
主の変容は、自ら弱さと限界に満ちた人間の世界に宿られ、それを神の世界に変えるという、神ご自身の壮大な計画に思いを致す貴重な機会なのではないでしょうか。(S.T.)