集会祈願
恵み豊かな神よ、あなたは聖テモテとテトスに、使徒にふさわしい知識と勇気をお与えになりました。聖人の祈りに支えられるわたしたちが、正義と愛をもって生き、永遠の国に迎えられますように。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々生き、支配しておられる御子、わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 第一朗読 (二テモテ1.1-8)
1キリスト・イエスによって与えられる命の約束を宣べ伝えるために、神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、 2愛する子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。
3わたしは、昼も夜も祈りの中で絶えずあなたを思い起こし、先祖に倣い清い良心をもって仕えている神に、感謝しています。 4わたしは、あなたの涙を忘れることができず、ぜひあなたに会って、喜びで満たされたいと願っています。 5そして、あなたが抱いている純真な信仰を思い起こしています。その信仰は、まずあなたの祖母ロイスと母エウニケに宿りましたが、それがあなたにも宿っていると、わたしは確信しています。 6そういうわけで、わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。 7神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。 8だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。
または テトス1.1-5
1神の僕、イエス・キリストの使徒パウロから――わたしが使徒とされたのは、神に選ばれた人々の信仰を助け、彼らを信心に一致する真理の認識に導くためです。 2これは永遠の命の希望に基づくもので、偽ることのない神は、永遠の昔にこの命を約束してくださいました。 3神は、定められた時に、宣教を通して御言葉を明らかにされました。わたしたちの救い主である神の命令によって、わたしはその宣教をゆだねられたのです。―― 4信仰を共にするまことの子テトスへ。父である神とわたしたちの救い主キリスト・イエスからの恵みと平和とがあるように。
5あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老たちを立ててもらうためです。
🌸 答唱詩編 詩編96 典148 ①③
答 遠く地の果てまで
すべての者が神の救いを見た。
新しい歌を神に歌え。
世界よ、神に向かって喜び歌え。
神の名をたたえて歌い、
日ごとに救いを告げ知らせよ。 【答】
諸国の民よ、神をほめ、
その力と栄をほめたたえよ。
ささげものを携えて中庭に入り、
神の名をほめたたえよ。 【答】
アレルヤ唱 典268 ⑤
アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (ルカ10.1-9)
ルカによる福音
1〔その時、〕主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。 2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。 3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。 4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。 5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。 6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。 7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。 8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、 9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。
奉納祈願
聖なる父よ、聖テモテとテトスの祝日にささげるこの供えものを受け入れて下さい。秘跡にあずかるわたしたちが、豊かな恵みをいただくことができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
拝領祈願
いのちの源である神よ、主のとうといからだをいただいたわたしたちの祈りを聞き入れて下さい。この秘跡に強められて救いの道を歩み、永遠の喜びに入ることができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 分かち合い
今日は、パウロの弟子だった聖テモテとテトスの記念日。
パウロの弟子として宣教旅行に同行したり、パウロが始めた教会を代理として訪ねたり、その司牧を委ねられたり、大きな愛と信頼を受けた人々。テモテの名は、パウロの手紙に何回も登場し、手紙の共同執筆者としても名前を連ねている。テサロニケやコリントの教会に派遣され、パウロに代わって司牧にあたり、晩年はエフェソの教会の監督となった。テトスは、問題の多いコリントの教会に派遣され、平和を回復する上で大きな貢献をし、後年はクレタの教会の司牧を委ねられた。テモテは母がユダヤ人、父が異邦人、テトスは両親とも異邦人と言う、いわば、第二世代の使徒たちである。
今日の福音は、弟子たちを派遣するにあたっての主イエスの言葉を記しているが、文字通り、それを経験したのは彼らであろう。「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ」。パウロも手紙の中で書いている、「わたしたちの主を証しすることも、わたしが囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしとともに苦しみを忍んでください」と。そして、彼らがもたらしたのは、まさに主イエスが約束された「平和」であること、あらためて思い出させてくれる。
まだ、教会制度も十分に確立していない時代に、ひたすら復活された主への信仰と、師であるパウロへの愛に満ちた奉仕によって、教会が地中海世界に根を下ろしていったこと、感謝のうちに思い起こし、彼らの愛と犠牲に倣う恵みを祈ろう。(S.T.)