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教皇の意向:危機にある家族のために (3月)

聖ヨセフ祭日のミサ(3/19)

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ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおりにした。

🌸 第一朗読 (サムエル下7.4-5a、12-14a、16)

サムエル記

 4その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。
 5「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。
 12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。 13この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。 14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。
 16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」

🌸 答唱詩編 詩編89 典38③④

 神の慈しみをとこしえに歌い、
  主のまことを代々に告げよう。

わたしの慈しみは永遠に変わることなく、
わたしの結んだ契約はとこしえに保たれる。
わたしは契約を破らず、
約束したことばを変えない。  【答】

ダビドの子孫はとこしえに続き、
その王座は太陽のように私の前にある。
大空を見守る月のように
その王座はとこしえに続く。  【答】

🌸 第二朗読 (ローマ4.13、16-18、22)

使徒パウロのローマの教会への手紙

 13〔皆さん、〕神はアブラハムやその子孫に世界を受け継がせることを約束されたが、その約束は、律法に基づいてではなく、信仰による義に基づいてなされたのです。
 16従って、信仰によってこそ世界を受け継ぐ者となるのです。恵みによって、アブラハムのすべての子孫、つまり、単に律法に頼る者だけでなく、彼の信仰に従う者も、確実に約束にあずかれるのです。彼はわたしたちすべての父です。 17「わたしはあなたを多くの民の父と定めた」と書いてあるとおりです。死者に命を与え、存在していないものを呼び出して存在させる神を、アブラハムは信じ、その御前でわたしたちの父となったのです。 18彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じ、「あなたの子孫はこのようになる」と言われていたとおりに、多くの民の父となりました。
 22だからまた、それが彼の義と認められたわけです。

詠唱 典262 聖ヨセフ

幸せな人、あなたの家を住まいとし、絶えずあなたをたたえる人。

🌸 福音朗読 (マタイ1.16、18-21、24a)

マタイによる福音

 16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。
 18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。 19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。 20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。 21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
 24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおりにした。

または ルカ2.41-51a

ルカによる福音
 41さて、両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。 42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。 43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。 44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、 45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。 46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。 47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。 48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」 49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」 50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。 51それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 ヨセフが語ったとされる言葉は聖書には一つもない。あたかも、言葉は不要で、彼の決断、それに基づく行動、それがすべてだと言っているようだ。
 まだ、一緒になる前に身ごもった妻マリアを受け入れるとき、マリアの出産のためにベトレヘムに旅立つとき、幼子を連れてエジプトへ避難するとき、そして、また故郷へ帰還するとき。どれほど、難しい立場に置かれても、ヨセフは常に冷静に神のみ旨を受け止め、それを実行する。
 マタイは、その福音書を、アブラハムに始まりヨセフに至る「ダビデの子」、イエスの系図ではじめ、終始ヨセフを中心として筆を進める。イエスは「ヨセフの子」、「大工の息子」と呼ばれ、天使の告げは、マリアではなく、すべてヨセフになされる。ヨセフは、イエスの肉親の父ではなく養父であるが、実の父のように振舞い、そして、彼の姿はいつの間にか福音書から消える。人間的な栄誉はすべて棚上げされ、残されたのは、彼の沈黙と、そこに現れた行動の軌跡だけ。
  教皇フランシスコは、就任ミサの説教で、ヨセフが、「守護者(custos)」になるという使命を忠実に果たしたことを強調される。「ヨセフが守護者なのは、神のことばを聞くことができ、神の御心に導かれるからです。彼は自分に委ねられた人々を何よりも気遣います。そして、出来事の意味を現実的に読み取り、周りの状況に気を配り、賢明な決断を行うことができたのです。」
 ヨセフに倣い、託された使命を忠実に果たすことができるよう祈ろう。(S.T.)

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御言葉の典礼を読み続く🌸

聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
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