年間第七土曜日(5/25)
集会祈願
🌸 第一朗読 (ヤコブ5:13-20)
ヤコブの手紙
13〔あいする皆さん、〕あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。 14あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい。 15信仰に基づく祈りは、病人を救い、主がその人を起き上がらせてくださいます。その人が罪を犯したのであれば、主が赦してくださいます。 16だから、主にいやしていただくために、罪を告白し合い、互いのために祈りなさい。正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします。 17エリヤは、わたしたちと同じような人間でしたが、雨が降らないようにと熱心に祈ったところ、三年半にわたって地上に雨が降りませんでした。 18しかし、再び祈ったところ、天から雨が降り、地は実をみのらせました。
19わたしの兄弟たち、あなたがたの中に真理から迷い出た者がいて、だれかがその人を真理へ連れ戻すならば、 20罪人を迷いの道から連れ戻す人は、その罪人の魂を死から救い出し、多くの罪を覆うことになると、知るべきです。
🌸 答唱詩編 詩編40 典54 ③⑤
アレルヤ唱 典269 17A
🌸 福音朗読 (マルコ10.13-16)
マルコによる福音
13〔その時、〕イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。 14しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。 15はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」 16そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
第一朗読のヤコブの手紙には、病者の塗油を授ける時に必ず読まれる言葉が記されている、「あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい」と。
福音は、短いが含蓄の深い言葉。祝福を求めてイエスのもとに子どもを連れてきた人々を弟子たちが𠮟った、とある。弟子たちがことのほか、冷たく狭量な人間だったわけでなく、当時のユダヤ人社会では、子どもの人権など認められず、もっぱら厄介な邪魔者としか見られなかったという。それにしても「叱る」とは、かなり激しい言葉。
それにも勝って、イエスは憤って言われる。「憤る」は非常に激しい怒りを意味する動詞。イエスは時代に先んじて、小さな子どもの人権を認めておられたのだろうか。そうではなくて、子どもに代表されるような、小さな、弱く、無力な人間こそ、神の国に入るにふさわしいものだと、イエスは言われるのだ。子どもは、大人が考えるほど、純粋でも、素直でもないかもしれない。しかし、大人のようには、知らないことが多いし、出来ないことも多い。むしろ、知らないこと、できないことばかりかもしれない。それでも、それで悩むこともなく、それを当たり前のことと受け止めている。大人はそんな、子ども時代のことを忘れ、卒業してしまったと思っている。しかし、「星の王子様」の著者が言うように、わたしたちは、皆かつては子どもだった。聖書も、そんな子どもだったことを忘れてしまった大人に向けて書かれた本なのかもしれない。(S.T.)