待降節第二土曜日(12/14)
人の子も、そのように人々から苦しめられることになる
集会祈願
🌸 第一朗読 (シラ48:1-4、9-11)
シラ書
1そして火のような預言者エリヤが登場した。
彼の言葉は松明のように燃えていた。
2彼は人々に飢饉をもたらし、
その熱意をもって人々の数を減らした。
3彼は主の言葉によって天を閉ざし、
三度、火を降らせた。
4エリヤよ、あなたはその驚くべき業のゆえに、
どれほどほめたたえられたことだろうか。
あなたと等しく誇りうる者があろうか。
9あなたは火の旋風に包まれ、
火の馬の引く車に乗せられ天に上げられた。
10あなたは、書き記されているとおり、
定められた時に備える者。
神の怒りが激しくなる前に、これを静め、
父の心を子に向けさせ、
ヤコブの諸部族を立て直す者。
11あなたを見る者、
また、愛のうちに眠りについた者は幸いである。
確かに、わたしたちも生きるであろう。
🌸 答唱詩編 詩編80 典80 ⑤⑥
答:神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。
すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、
またこのぶどうの木を顧みてください。
あなたがご自分で植えられた苗と、
強められた若枝を守ってください。【答】
あなたの手はあなたの右腕である人の上に、
強められた民の上に。
わたしたちはあなたから離れることなく、
いのちであるあなたを呼び求める。【答】
アレルヤ唱 典256 ⑦
アレルヤ、アレルヤ。主の道を整え、その小道を整えよ。すべての人は神の救いを見る。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マタイ17:10-13)
マタイによる福音
10〔山を下りるとき、弟子たちは〕イエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。 11イエスはお答えになった。「確かにエリヤが来て、すべてを元どおりにする。 12言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」 13そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「なぜ、律法学者は、エリヤが来るはずだと言っているのか」。マラキの預言にある「大いなる恐るべき日が来る前に、預言者エリヤをあなたたちに遣わす」という言葉を指すのだろう。紀元前9世紀前半、預言者の系譜の最初に現れた偉大な預言者・指導者エリヤがメシア時代に、メシアに先駆けて再び現れる、という確信がイスラエルの中に広がっていた。過ぎ越し祭の食事には、家族の人数に一人加えて席を用意する、というユダヤ人の習慣はそこから来ると言われている。第一朗読で読まれたシラ書の中にも、エリヤの登場が記されている。エリヤは、北王国イスラエルで、王国が唯一の神への信仰に立ち帰るよう、王アハブやバアルの預言者たちを相手に単身戦った孤高の預言者。
このエリヤの再来と思われたのが洗礼者ヨハネ。メシアの到来に備えて人々のこころを主に立ち帰らせる使命に生きた偉大な人物。イエスは言われる、「エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらった。人の子も、そのように人々から苦しめられる」。
尊い使命をいただき、それに生涯をかけた人物を、神はどうして、そのような目に遭わされるのか。人間の弱さや罪によって、神の当初の計画は歴史の中で度々挫折した。しかし、神は、決してそれで終わりとはされない。わたしたちの人生においても、同じことがあるのではないか。神は、そうした人間が設ける障害にひるむことなく、あらたな道を切り開く一歩としてくださる。そんな神のいつくしみを思い、困難の中でも神の導きに信頼して生きる恵みを祈ろう。(S.T.)