年間第十四月曜日(7/8)
「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った。」
集会祈願
すべてを一つに集めてくださる父よ、信じる人々が、あなたにふさわしい礼拝を捧げることができるのはあなたの恵みによるものです。今ここに集まっている私たちが、約束された国に向かって共に歩むことができますように。聖霊による一致のうちに、あなたと共に神であり、世々とこしえに生き、治められる御子、私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 第一朗読 (ホセア2:16、17b-18、21-22)
ホセアの預言
〔主は言われる。〕
わたしは彼女をいざなって
荒れ野に導き、その心に語りかけよう。
そこで、彼女はわたしにこたえる。
おとめであったとき
エジプトの地から上ってきた日のように。
18その日が来ればと
主は言われる。
あなたはわたしを、「わが夫」と呼び
もはや、「わが主人(バアル)」とは呼ばない。
21わたしは、あなたととこしえの契りを結ぶ。
わたしは、あなたと契りを結び
正義と公平を与え、慈しみ憐れむ。
22わたしはあなたとまことの契りを結ぶ。
あなたは主を知るようになる。
🌸 答唱詩編 詩編145 典19a①②
答:いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。
神よ、あなたは恵みと憐みに満ち、
怒るに遅く、慈しみ深い。
その恵みはすべてのものに及び、
慈しみは
造られたすべてのものの上にある。
神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝して歌う。
彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。
アレルヤ唱 典273(30B)
アレルヤ・アレルヤ。私たちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ・アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マタイ9:18-26)
マタイによる福音
〔その時、イエスが〕話しておられると、ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」 19そこで、イエスは立ち上がり、彼について行かれた。弟子たちも一緒だった。 20すると、そこへ十二年間も患って出血が続いている女が近寄って来て、後ろからイエスの服の房に触れた。 21「この方の服に触れさえすれば治してもらえる」と思ったからである。 22イエスは振り向いて、彼女を見ながら言われた。「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った。」そのとき、彼女は治った。 23イエスは指導者の家に行き、笛を吹く者たちや騒いでいる群衆を御覧になって、 24言われた。「あちらへ行きなさい。少女は死んだのではない。眠っているのだ。」人々はイエスをあざ笑った。 25群衆を外に出すと、イエスは家の中に入り、少女の手をお取りになった。すると、少女は起き上がった。 26このうわさはその地方一帯に広まった。
奉納祈願
全能の神よ、あなたは秘跡を通して恵みをお与えになります。ここに集う私たちが、心を込めて感謝の祭儀を行うことができますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
拝領祈願
全能の神よ、命の糧に強められて祈ります。主の過越を記念するたびに、救いのわざが私たちの中に力強く実現していきますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 分かち合い
たった今死んだという、ある指導者の娘のよみがえりの話と、12年間も出血症に苦しんできた女性のいやしの話。
人間だれでもがいつか必ず迎えなければならない死の問題、そして、生きている間に多くの人が悩まされる病の問題。イエスは、そうした現実の中に身を置かれる。神として、高いところから見下ろすのではなく、人間として、身近な、目の前に起きる現実としてそれを体験する。人間が恐れ、退け、嫌い、否定しようとする、そんな負の現実にとことんかかわり、それを無意味な、否定的なものとしてではなく、むしろ、人間が神へと向かう一つの道へと変える。それが、神の子イエスが、人となってわたしたちの間に宿られた目的ではないだろうか。
人間の世界に付きまとう様々な問題、悩ましい、いたましい、悲しい現実のすべてを、イエスは神の子としての全能の力で一蹴することはおできになったかもしれない。しかし、そうするのではなく、むしろ、自らもその痛みと、苦しみと、悲しみを担い、それによって砕かれるものとなり、十字架の死を受け入れることによって、死をも、神のいのちへの道に変えてくださった。
亡くなった指導者の娘が命に呼び戻され、出血に悩まされた女が癒されたのは、そのことを通して、人間の苦しみの中に、神がともにいてくださることを、悟る恵みを祈ろう。(S.T.)