主がわたしに油を注がれた
この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した
🌸 第一朗読 (イザヤ61・1-3a、6a、8b-9)
イザヤの預言
1主はわたしに油を注ぎ
主なる神の霊がわたしをとらえた。
わたしを遣わして
貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。
打ち砕かれた心を包み
捕らわれ人には自由を
つながれている人には解放を告知させるために。
2主が恵みをお与えになる年
わたしたちの神が報復される日を告知して
嘆いている人々を慰め
3シオンのゆえに嘆いている人々に
灰に代えて冠をかぶらせ
嘆きに代えて喜びの香油を
暗い心に代えて賛美の衣をまとわせるために。
6あなたたちは主の祭司と呼ばれ
わたしたちの神に仕える者とされる。
8主なるわたしはまことをもって彼らの労苦に報い
とこしえの契約を彼らと結ぶ。
9彼らの一族は国々に知られ
子孫は諸国の民に知られるようになる。
彼らを見る人はすべて認めるであろう
これこそ、主の祝福を受けた一族である、と。
🌸 答唱詩編 詩編89 典
答:神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。
わたしはしもべダビドを選び、
とうとい油を彼に注いだ。
わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。【答】
いつくしみとまことは彼とともにあり、
彼はわたしによって高められる。
彼はわたしに呼びかける。
「わたしの父、わたしの神、わたしの救いの力。」【答】
🌸 第二朗読 (黙示録1・5-8)
ヨハネの黙示
5証人であり、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、6わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。
7見よ、その方が雲に乗って来られる。
すべての人の目が彼を仰ぎ見る、
ことに、彼を突き刺した者どもは。
地上の諸民族は皆、彼のために嘆き悲しむ。然り、アーメン。
8神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」
アレルヤ唱 典
神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。
🌸 福音朗読 (ルカ4・16-21)
ルカによる福音
そのとき、16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。
18「主の霊がわたしの上におられる。
貧しい人に福音を告げ知らせるために、
主がわたしに油を注がれたからである。
主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
19主の恵みの年を告げるためである。」
20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。

🌸 分かち合い
今日のルカ福音では、イエスは、当時の青年のように、安息日に故郷の会堂で聖書を朗読し、それについての分かち合いをされる。
偶々、渡された巻物がイザヤの預言(61章)で、そこには、来たるべきメシアについて、その働きについての言葉が記されていた。「貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれた。主がわたしを遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである」とあった。これは、まさに、イエスが行われようとする活動を預言するものであり、イエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と説明を加えられた。
イエスの働きは、ラビのように、もっぱら教壇から教えを説くことではなく、神が人となるという福音を告げることであり、神の人々への愛を、やめる人、虐げられている人、自由を奪われている人への、癒しと解放、そして、回復をもたらすわざそのものだったのである。人々はイエスの言葉に驚嘆した、しかし、それが人々の反感を呼び覚ましたことをルカが記していることも忘れてはならない。(S.T.)