年間第三十二金曜日(11/15)
キリストの教えにとどまっている人にこそ、御父も御子もおられます
集会祈願
🌸 第一朗読 (二ヨハネ4-9)
使徒ヨハネの手紙
4〔選ばれた夫人よ、〕あなたの子供たちの中に、わたしたちが御父から受けた掟どおりに、真理に歩んでいる人がいるのを知って、大変うれしく思いました。 5さて、婦人よ、あなたにお願いしたいことがあります。わたしが書くのは新しい掟ではなく、初めからわたしたちが持っていた掟、つまり互いに愛し合うということです。 6愛とは、御父の掟に従って歩むことであり、この掟とは、あなたがたが初めから聞いていたように、愛に歩むことです。 7このように書くのは、人を惑わす者が大勢世に出て来たからです。彼らは、イエス・キリストが肉となって来られたことを公に言い表そうとしません。こういう者は人を惑わす者、反キリストです。 8気をつけて、わたしたちが努力して得たものを失うことなく、豊かな報いを受けるようにしなさい。 9だれであろうと、キリストの教えを越えて、これにとどまらない者は、神に結ばれていません。その教えにとどまっている人にこそ、御父も御子もおられます。
🌸 答唱詩編 詩編119 典75 ①③
答:神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。
しあわせな人、道からそれず、
神の教えに従って歩む人。
そのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。【答】
あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
わたしは仰せを心にいだく、
あなたのさばきを示してください。【答】
アレルヤ唱 典274 ⑥
🌸 福音朗読 (ルカ17:26-37)
ルカによる福音
26〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕ノアの時代にあったようなことが、人の子が現れるときにも起こるだろう。 27ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。 28ロトの時代にも同じようなことが起こった。人々は食べたり飲んだり、買ったり売ったり、植えたり建てたりしていたが、 29ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降ってきて、一人残らず滅ぼしてしまった。 30人の子が現れる日にも、同じことが起こる。 31その日には、屋上にいる者は、家の中に家財道具があっても、それを取り出そうとして下に降りてはならない。同じように、畑にいる者も帰ってはならない。 32ロトの妻のことを思い出しなさい。 33自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。 34言っておくが、その夜一つの寝室に二人の男が寝ていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。 35二人の女が一緒に臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。」 36† 37そこで弟子たちが、「主よ、それはどこで起こるのですか」と言った。イエスは言われた。「死体のある所には、はげ鷹も集まるものだ。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「人の子が現れる時、人の子が来る日」
世の終わりに主が再びお出でになる、いわゆる「再臨」ということは、信条の中でも、最も理解が難しく、受け入れがたい点ではないだろうか。気の遠くなるほど先のことで、つい考えずに済ませているかもしれない。
神の子主イエスの受肉、受難と死、復活、そこまでは何とかついて行けたとしても、再臨となると、そこまでは、と思っても無理はない。しかし、教会の歴史の中で、主の再臨を熱烈に待ち望んだ時代があったと聞く。おそらく、中世期のように、人々の苦しみが極限に達し、救いがたい状況に置かれた中で深められたのであろう。現代のように、地球温暖化という言葉に代表されるような、地球規模の危機を世界中の人々が感じる時代であっても、それをただちに世の終わり、また、再臨と結びつけようとする人は多くない。ただ、このまま放置すれば、地球は、そして、人類は大変な状況に陥いるといった不安が人々の心を支配していることも事実である。
ある神学者は、信条についての書物の中で、こう記す、「神は一度はじめた救いのわざを最後まで見守りつつ責任をもって完成します」(『使徒信条を詠む』p.178)と。神の子、イエスの派遣によって大きく動き出した救いの歴史を、神ご自身が御子の再臨をもって結末に導かれる、という希望に満ちた見解を少しでも身に対して日々を過ごすことができればと祈る。(S.T.)