年間第二十七金曜日(10/11)
神の国はあなたたちのところに来ている
集会祈願
🌸 第一朗読 (ガラテヤ3:7-14)
使徒パウロのガラテヤの教会への手紙
7〔皆さん、〕信仰によって生きる人々こそ、アブラハムの子であるとわきまえなさい。 8聖書は、神が異邦人を信仰によって義となさることを見越して、「あなたのゆえに異邦人は皆祝福される」という福音をアブラハムに予告しました。 9それで、信仰によって生きる人々は、信仰の人アブラハムと共に祝福されています。 10律法の実行に頼る者はだれでも、呪われています。「律法の書に書かれているすべての事を絶えず守らない者は皆、呪われている」と書いてあるからです。 11律法によってはだれも神の御前で義とされないことは、明らかです。なぜなら、「正しい者は信仰によって生きる」からです。 12律法は、信仰をよりどころとしていません。「律法の定めを果たす者は、その定めによって生きる」のです。 13キリストは、わたしたちのために呪いとなって、わたしたちを律法の呪いから贖い出してくださいました。「木にかけられた者は皆呪われている」と書いてあるからです。 14それは、アブラハムに与えられた祝福が、キリスト・イエスにおいて異邦人に及ぶためであり、また、わたしたちが、約束された“霊”を信仰によって受けるためでした。
🌸 答唱詩編 詩編111 典61 ①②
アレルヤ唱 典271 ㉒
🌸 福音朗読 (ルカ11:15-26)
ルカによる福音
15〔そのとき、イエスは悪霊どもを追い出しておられたが、人々の〕中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、 16イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。 17しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。 18あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。 19わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。 20しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。 21強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。 22しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。 23わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」
24「汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。 25そして、戻ってみると、家は掃除をして、整えられていた。 26そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
祈りについての話から、一転して、イエスの行われる不思議な業に対する人々の反応と、イエスの対応について。
様々な癒しの業や悪霊を追い出す出来事を経験して、多くの群衆はイエスを信じたが、中には悪霊の頭ベルゼブルの力によって悪霊を追い出すと、難癖をつける人(マルコでは、エルサレムから来た律法学者)がいた。
ベルゼブルという名は、旧約聖書に出る、カナン人が礼拝していた神の名。イエスは、悪霊が悪霊を追い出していたら、彼らは一体どうなるのか、と反論。そして、言われる、「わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ」と。「神の指」とは、神ご自身の力、世界を創造される神の手(「あなたの指のわざである天を仰ぎ」詩8)を指す言葉。イエスは、その神の力をもって、不思議を行っておられる。
しかし、人間は、つい、自分に理解できないこと、自分の慣れ親しんできた考え方、生き方と違うものが提示されたとき、それを素直に受け入れるより、様々な理由付けを行って、それを否定したり、曲解したりしようとする。経験が豊かで、知識も豊富な人に限って、そうした傾向をもつかもしれない。
イスラエルの人々にとって、神が人となるということ、人となられた神が、今ここで神の力をもって不思議を行うということは、容易に受け入れることのできないものだった。わたしたちも、この根本的な秘儀を、素直な心で認め受け入れ、信じる恵みを祈ろう。(S.T.)