集会祈願
???? 第一朗読 (シラ48.1-4、9-11)
1〔そのころ、〕火のような預言者エリヤが登場した。彼の言葉は松明のように燃えていた。2彼は人々に飢饉をもたらし、その熱意をもって人々の数を減らした。3彼は主の言葉によって天を閉ざし、三度、火を降らせた。4エリヤよ、あなたはその驚くべき業のゆえに、どれほどほめたたえられたことだろうか。あなたと等しく誇りうる者があろうか。
9あなたは火の旋風に包まれ、火の馬の引く車に乗せられ天に上げられた。10あなたは、書き記されているとおり、定められた時に備える者。神の怒りが激しくなる前に、これを静め、父の心を子に向けさせ、ヤコブの諸部族を立て直す者。11あなたを見る者、また、愛のうちに眠りについた者は幸いである。確かに、わたしたちも生きるであろう。
???? 答唱詩編 詩編80 典80 ⑤⑥
アレルヤ唱 典256 ⑦
???? 福音朗読 (マタイ17.10-13)
マタイによる福音
10〔山を下りるとき、弟子たちは〕イエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。 11イエスはお答えになった。「確かにエリヤが来て、すべてを元どおりにする。 12言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」 13そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。
奉納祈願
拝領祈願
???? 分かち合い
「なぜ、律法学者は、エリヤが来るはずだと言っているのか」。紀元前5世紀に活動したマラキの預言に「大いなる恐るべき日が来る前に、預言者エリヤをあなたたちに遣わす」という言葉がある。紀元前9世紀前半、預言者の系譜の最初に現れた偉大な預言者・指導者エリヤがメシア時代に、メシアに先駆けて再び現れる、という確信がイスラエルの中に広がっていた。第一朗読で読まれたように、紀元前2世紀、シラ書の中にも、エリヤの登場が記されている。エリヤは、北王国イスラエルで、王国が唯一の神への信仰に立ち帰るよう、王アハブやバアルの預言者たちを相手に単身戦った孤高の預言者。
このエリヤの再来と思われたのが洗礼者ヨハネ。メシアの到来に備えて人々のこころを主に立ち帰らせる使命に生きた偉大な人物。イエスは言われる、「エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらった。人の子も、そのように人々から苦しめられる」。
どうして、神はそのような尊い使命をいただき、それに生涯をかけた人物が、そのような目に遭うのを見過ごされたのか。人間の弱さや罪によって、神の当初の計画は歴史の中で度々挫折した。しかし、神は、決してそれで終わりとはされない。神は、そうした人間が設ける障害にひるむことなく、あらたな道を切り開く一歩としてくださる。その不思議を思い、困難の中でもその神の導きに信頼して歩んでゆこう。(S.T.)