集会祈願
🌸 第一朗読 (使徒言行録16.11-15)
11わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、 12そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。 13安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。 14ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。 15そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。
🌸 答唱詩編 詩編149 典106 ②③
アレルヤ唱 典272 ㉔
🌸 福音朗読 (ヨハネ15.26-16.4a)
ヨハネによる福音
26〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。 27あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。
1これらのことを話したのは、あなたがたをつまずかせないためである。 2人々はあなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたを殺す者が皆、自分は神に奉仕していると考える時が来る。 3彼らがこういうことをするのは、父をもわたしをも知らないからである。 4しかし、これらのことを話したのは、その時が来たときに、わたしが語ったということをあなたがたに思い出させるためである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
晩餐の後の説教も、いよいよイエスが去って行かれた後に派遣される「聖霊」に焦点が移って行く。聖霊の働きは何よりも、「証しする」ことであると言われる。証しするという言葉は、証し人、殉教者(martyr)という言葉と根は一つ。聖霊がイエスについて証しし、弟子たちがイエスを証しする。そして、その弟子たちを、人々は「会堂から追放する」、とある。
これは、ヨハネ福音書が書かれた時代(80~90年)の状況を物語っている。イエスの死後、50~60年が経ち、それまで共同で使用していた、ユダヤ人の会堂から、キリストを信じるものが追放される、路線の違いが鮮明になり、それぞれの道を歩み始めるという、事実を背景にしている。聖書学者は、「ユダヤ教イエス派」だったものがいよいよ「キリスト教」になる時代だと言う。
共観福音書の中では、将来宣教に送られる弟子たちが受ける苦しみへの警告として語られたものが、ヨハネにおいては、まさに、今現在起きていることを背景として語られるのだ。
キリストの弟子の使命は、キリストを証しすること、キリストの証人となることである。それは、セールスのように、自分と切り離すことのできる何かをアピールすることではない。自らの存在、生き方をもって証しするほかはない。それは聖霊の働きなしには考えられない。キリストの弟子であるわたしたちも、証し人となることができるよう、聖霊の働きに身を委ねる恵みを祈ろう。(S.T.)