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教皇の意向:子を失った親 (11月)

復活の主日・復活の聖なる徹夜祭(3/30)

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行って、弟子たちとペトロに告げなさい

マルコ16:7
集会祈願

🌸 第一朗読 (創世記1.1、26-31a)

1初めに、神は天地を創造された。
26神は言われた。
「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」
27神は御自分にかたどって人を創造された。
神にかたどって創造された。
男と女に創造された。
28神は彼らを祝福して言われた。
「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」
29神は言われた。
「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。 30地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」
そのようになった。 31神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。

🌸 答唱詩編 詩編33 典46②④

🌸 第二朗読 (創世記22.1-18)

1〔その日、〕神はアブラハムを試された。
神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、 2神は命じられた。
「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」
3次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。
4三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、 5アブラハムは若者に言った。
「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」
6アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いて行った。
7イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。
「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」
8アブラハムは答えた。
「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。
9神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを縛って祭壇の薪の上に載せた。 10そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。
11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、 12御使いは言った。
「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」
13アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。
14アブラハムはその場所をヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。
15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。 16御使いは言った。
「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、 17あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。 18地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」

🌸 答唱詩編 詩編16 典98 ①②⑤

🌸 第三朗読 (出エジプト14・15.1a)

  1〔その日、追い迫るエジプト軍を見て、イスラエルの人々が非常に恐れた時、〕主はモーセに仰せになった。 2「イスラエルの人々に、引き返してミグドルと海との間のピ・ハヒロトの手前で宿営するよう命じなさい。バアル・ツェフォンの前に、それに面して、海辺に宿営するのだ。 3するとファラオは、イスラエルの人々が慌ててあの地方で道に迷い、荒れ野が彼らの行く手をふさいだと思うであろう。 4わたしはファラオの心をかたくなにし、彼らの後を追わせる。しかし、わたしはファラオとその全軍を破って栄光を現すので、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」彼らは言われたとおりにした。
 5民が逃亡したとの報告を受けると、エジプト王ファラオとその家臣は、民に対する考えを一変して言った。「ああ、我々は何ということをしたのだろう。イスラエル人を労役から解放して去らせてしまったとは。」 6ファラオは戦車に馬をつなぎ、自ら軍勢を率い、 7えり抜きの戦車六百をはじめ、エジプトの戦車すべてを動員し、それぞれに士官を乗り込ませた。 8主がエジプト王ファラオの心をかたくなにされたので、王はイスラエルの人々の後を追った。イスラエルの人々は、意気揚々と出て行ったが、 9エジプト軍は彼らの後を追い、ファラオの馬と戦車、騎兵と歩兵は、ピ・ハヒロトの傍らで、バアル・ツェフォンの前の海辺に宿営している彼らに追いついた。 10ファラオは既に間近に迫り、イスラエルの人々が目を上げて見ると、エジプト軍は既に背後に襲いかかろうとしていた。イスラエルの人々は非常に恐れて主に向かって叫び、 11また、モーセに言った。「我々を連れ出したのは、エジプトに墓がないからですか。荒れ野で死なせるためですか。一体、何をするためにエジプトから導き出したのですか。 12我々はエジプトで、『ほうっておいてください。自分たちはエジプト人に仕えます。荒れ野で死ぬよりエジプト人に仕える方がましです』と言ったではありませんか。」 13モーセは民に答えた。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。あなたたちは今日、エジプト人を見ているが、もう二度と、永久に彼らを見ることはない。 14主があなたたちのために戦われる。あなたたちは静かにしていなさい。」
 15主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。 16杖を高く上げ、手を海に向かって差し伸べて、海を二つに分けなさい。そうすれば、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。 17しかし、わたしはエジプト人の心をかたくなにするから、彼らはお前たちの後を追って来る。そのとき、わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現す。 18わたしがファラオとその戦車、騎兵を破って栄光を現すとき、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」
 19イスラエルの部隊に先立って進んでいた神の御使いは、移動して彼らの後ろを行き、彼らの前にあった雲の柱も移動して後ろに立ち、 20エジプトの陣とイスラエルの陣との間に入った。真っ黒な雲が立ちこめ、光が闇夜を貫いた。両軍は、一晩中、互いに近づくことはなかった。 21モーセが手を海に向かって差し伸べると、主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた。 22イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行き、水は彼らの右と左に壁のようになった。 23エジプト軍は彼らを追い、ファラオの馬、戦車、騎兵がことごとく彼らに従って海の中に入って来た。 24朝の見張りのころ、主は火と雲の柱からエジプト軍を見下ろし、エジプト軍をかき乱された。 25戦車の車輪をはずし、進みにくくされた。エジプト人は言った。「イスラエルの前から退却しよう。主が彼らのためにエジプトと戦っておられる。」
 26主はモーセに言われた。「海に向かって手を差し伸べなさい。水がエジプト軍の上に、戦車、騎兵の上に流れ返るであろう。」 27モーセが手を海に向かって差し伸べると、夜が明ける前に海は元の場所へ流れ返った。エジプト軍は水の流れに逆らって逃げたが、主は彼らを海の中に投げ込まれた。 28水は元に戻り、戦車と騎兵、彼らの後を追って海に入ったファラオの全軍を覆い、一人も残らなかった。 29イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んだが、そのとき、水は彼らの右と左に壁となった。 30主はこうして、その日、イスラエルをエジプト人の手から救われた。イスラエルはエジプト人が海辺で死んでいるのを見た。 31イスラエルは、主がエジプト人に行われた大いなる御業を見た。民は主を畏れ、主とその僕モーセを信じた。
 モーセとイスラエルの民は主を賛美してこの歌をうたった。

🌸 答唱詩編 詩編 典79①②③

🌸 第四朗読 (イザヤ54.5-14)

5〔エルサレムよ〕
あなたの造り主があなたの夫となられる。
その御名は万軍の主。
あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神
全地の神と呼ばれる方。
6捨てられて、苦悩する妻を呼ぶように
主はあなたを呼ばれる。
若いときの妻を見放せようかと
あなたの神は言われる。
7わずかの間、わたしはあなたを捨てたが
深い憐れみをもってわたしはあなたを引き寄せる。
8ひととき、激しく怒って顔をあなたから隠したが
とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむと
あなたを贖う主は言われる。
9これは、わたしにとってノアの洪水に等しい。
再び地上にノアの洪水を起こすことはないと
あのとき誓い
今またわたしは誓う
再びあなたを怒り、責めることはない、と。
10山が移り、丘が揺らぐこともあろう。
しかし、わたしの慈しみはあなたから移らず
わたしの結ぶ平和の契約が揺らぐことはないと
あなたを憐れむ主は言われる。
11苦しめられ、嵐にもてあそばれ
慰める者もない都よ
見よ、わたしはアンチモンを使って
あなたの石を積む。
サファイアであなたの基を固め
12赤めのうであなたの塔を
エメラルドであなたの門を飾り
地境に沿って美しい石を連ねる。
13あなたの子らは皆、主について教えを受け
あなたの子らには平和が豊かにある。
14あなたは恵みの業によって堅く立てられる。
虐げる者から遠く離れよ
もはや恐れることはない。
破壊する者から遠く離れよ
もはやそれがあなたに近づくことはない。

🌸 答唱詩編 詩編30 典65 ①④

🌸 第五朗読 (イザヤ55.1-11)

1〔主は言われる。〕
渇きを覚えている者は皆、水のところに来るがよい。
銀を持たない者も来るがよい。
穀物を求めて、食べよ。
来て、銀を払うことなく穀物を求め
価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ。
2なぜ、糧にならぬもののために銀を量って払い
飢えを満たさぬもののために労するのか。
わたしに聞き従えば
良いものを食べることができる。
あなたたちの魂はその豊かさを楽しむであろう。
3耳を傾けて聞き、わたしのもとに来るがよい。
聞き従って、魂に命を得よ。
わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。
ダビデに約束した真実の慈しみのゆえに。
4見よ
かつてわたしは彼を立てて諸国民への証人とし
諸国民の指導者、統治者とした。
5今、あなたは知らなかった国に呼びかける。
あなたを知らなかった国は
あなたのもとに馳せ参じるであろう。
あなたの神である主
あなたに輝きを与えられる
イスラエルの聖なる神のゆえに。
6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。
呼び求めよ、近くにいますうちに。
7神に逆らう者はその道を離れ
悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。
主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。
わたしたちの神に立ち帰るならば
豊かに赦してくださる。
8わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり
わたしの道はあなたたちの道と異なると
主は言われる。
9天が地を高く超えているように
わたしの道は、あなたたちの道を
わたしの思いは
あなたたちの思いを、高く超えている。
10雨も雪も、ひとたび天から降れば
むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ
種蒔く人には種を与え
食べる人には糧を与える。
11そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も
むなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ
わたしが与えた使命を必ず果たす。

🌸 答唱詩編 詩編 典164①②③

🌸 第六朗読 (バルク3.9-15、32~4・4)

9聞け、イスラエルよ、命をもたらす戒めを。
耳を傾けて、悟りを得よ。
10イスラエルよ、なぜなのか。
なぜお前は敵の地におり、
異国の地で年を重ね、
11死者と汚れを共にし、
陰府に下る者の中に数えられたのか。
12お前は知恵の泉を見捨てた。
13神の定めた道を歩んでいたなら、
永遠に平和のうちに暮らしていたであろう。
14学べ、どこに悟りがあるかを。
またどこに力があり、どこに知識があるかを。
そして知れ、どこに長寿と命があり、
どこに目の輝きと平和があるかを。

15いったいだれが
知恵の在りかを見いだしただろうか。
だれがその宝庫に入っただろうか。

32すべてを知る方だけが知恵を知り、
御自分の力でそれを悟り、見いだされたのだ。
その方はあらゆる時代に備えて全地を整え、
それを四足の獣で満たした。
33その方が光を放つと、光は走り、
ひと声命ずると、光はおののいて従う。
34星はおのおの持ち場で喜びにあふれて輝き、
35その方が命ずると、「ここにいます」と答え、
喜々として、自分の造り主のために光を放つ。
36この方こそわたしたちの神であり、
他に比ぶべきものはない。
37この方は知識の道をすべて見いだし、
それを僕ヤコブと愛するイスラエルに与えた。
38その後、知恵は地上に現れ、人々の中に住んだ。

1知恵は神の命令の書、永遠に続く律法である。
これを保つ者は皆生き、これを捨てる者は死ぬ。
2ヤコブよ、立ち帰ってこれをつかみ、
知恵の光に目を注ぎ、その輝きに向かって歩め。
3あなたの栄光をほかの者に、
あなたの特権を異国の民に渡してはならない。
4イスラエルよ、わたしたちは幸いだ。
神の御心に適うことを知っているのだから。

🌸 答唱詩編 詩編19 典124 ①②

🌸 第七朗読 (エゼキエル36.16-17a、18-28)

 16主の言葉がわたしに臨んだ。 17「人の子よ、イスラエルの家は自分の土地に住んでいたとき、それを自分の歩みと行いによって汚した。
 18それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注いだ。彼らが地の上に血を流し、偶像によってそれを汚したからである。 19わたしは彼らを国々の中に散らし、諸国に追いやり、その歩みと行いに応じて裁いた。 20彼らはその行く先の国々に行って、わが聖なる名を汚した。事実、人々は彼らについて、『これは主の民だ、彼らは自分の土地から追われて来たのだ』と言った。 21そこでわたしは、イスラエルの家がその行った先の国々で汚したわが聖なる名を惜しんだ。
 22それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、わたしはお前たちのためではなく、お前たちが行った先の国々で汚したわが聖なる名のために行う。 23わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる、と主なる神は言われる。 24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。
 25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。 26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。 27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。 28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。

🌸 答唱詩編 詩編51 典7 ①③

🌸 使徒書の朗読 (ローマ6.3-11)

  3〔皆さん、〕あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。 4わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。 5もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。 6わたしたちの古い自分がキリストと共に十字架につけられたのは、罪に支配された体が滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためであると知っています。 7死んだ者は、罪から解放されています。 8わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。 9そして、死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない、と知っています。死は、もはやキリストを支配しません。 10キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、生きておられるのは、神に対して生きておられるのです。 11このように、あなたがたも自分は罪に対して死んでいるが、キリスト・イエスに結ばれて、神に対して生きているのだと考えなさい。

🌸 福音朗読 (マルコ16.1-7)

マルコによる福音
 1安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。 2そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。 3彼女たちは、「だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。 4ところが、目を上げて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。 5墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。 6若者は言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。 7さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」 

奉納祈願

拝領祈願

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 聖週間の典礼も、いよいよ喜びのうちに主の復活を記念する時になりました。しかし、まだ、従来のように、聖歌を歌い、大声で喜びを分かち合うことができないのは残念です。しかし、考えてみれば、わたしたちの人生も、実は、受難から復活への繰り返しなのかもしれません。思い通りにならない、苦しみに満ちた現実の中に、主がともにいてくださることを、より深く体験する恵みを祈りましょう。

 今晩の典礼では、たくさんの朗読箇所が読まれましたが、最後のマルコ福音を中心にお話しします。復活について記す福音は、いずれも似たような言葉遣いをしていますが、いくつかマルコの特徴を上げることができます。 

 一つは、女性たちの行動です。3人の女性、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、安息日が明けるのを待って、イエスを納めた墓に詣で、遺体に油を塗る準備をします。その時の思いがどれほど強かったのか、「週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った」とマルコは記します。婦人たちの行動力に頭が下がります。そして、墓の封をしている大きな石をだれが転がすかという心配をよそに、すでに墓の入り口は開いていて、墓の中には、若者が立っているのが見えます。

 婦人たちの驚きを遮るように、若者は重大なメッセージを伝えます。一つは、「あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない」と。マルコは、婦人たちが、亡くなったイエスの遺体に塗るための油を買いに行ったとあえて記しました。遺体に対する尊敬の心、死者への礼を尽くすことは素晴らしいことです。しかし、墓に葬られたイエスの遺体、それは、いわば過去の世界のものです。墓に詣でることは、ふさわしく正しいことですが、イエスは、もはやそこにはおられません。

 わたしたちは、とかく、慣れ親しんできたものに愛着を感じ、無意識のうちにも、それから離れることを嫌い、恐れます。人間は過去にとらわれるものです。しかし、復活されたイエスは、そこにはおられないのです。コロナウィルス感染症のことでも、つい、過去のことに捉われていないでしょうか。どこそこで感染者が出た、感染者が100人を超えた、死者が出た、といった情報に神経をとがらせます。感染が収まらないと、政策の間違いを非難し、感染症の拡大の意味を考えたり、感染が終息した後の世界、人生について考えることもしなくなります。

 若者は同時に、こうも言います、「あの方は、あなたがより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる」と。ガリラヤはかつて主イエスと出会い、その話を聞き、その不思議な業を目撃した、あの懐かしい世界です。しかし、イエスが行かれるガリラヤはかつてとは違います。依然として、貧しい人、病める人、軽んじられている人、人からの助けを必要としている人が住む世界ですが、そこには復活なさったイエスがおられるのです。主はいつも、わたしたちに先だって歩んでゆかれます。かつてのお姿を見ることはできません。しかし、復活された主はわたしたちと共におられるのです。そして、主にお会いするとき、主はわたしたちに新しい使命をお与えになります。どのような使命かわかりません。主の招きに応えて、歩き始めるとき、おのずと、主の望みが明らかにされ、それを実現する道も示されるのです。

 主は復活して、わたしたちのうちに生きておられます。
 主の復活を信じて、それを生きた人々が新しい時代、新しい世界を築いてゆきました。様々な苦難の経験の中で、さらには、それを乗り越えたときに、新しくされた人間として、神が望まれる世界の実現に少しでも協力することができるよう、お祈りいたしましょう。(S.T.)

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御言葉の典礼を読み続く🌸

聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
どうぞよろしくお願い致します。

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