聖レオ一世教皇教会博士(記)
集会祈願
🌸 第一朗読 (ローマ15.14-21)
14兄弟たち、あなたがた自身は善意に満ち、あらゆる知識で満たされ、互いに戒め合うことができると、このわたしは確信しています。 15記憶を新たにしてもらおうと、この手紙ではところどころかなり思い切って書きました。それは、わたしが神から恵みをいただいて、 16異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者となり、神の福音のために祭司の役を務めているからです。そしてそれは、異邦人が、聖霊によって聖なるものとされた、神に喜ばれる供え物となるためにほかなりません。 17そこでわたしは、神のために働くことをキリスト・イエスによって誇りに思っています。 18キリストがわたしを通して働かれたこと以外は、あえて何も申しません。キリストは異邦人を神に従わせるために、わたしの言葉と行いを通して、 19また、しるしや奇跡の力、神の霊の力によって働かれました。こうしてわたしは、エルサレムからイリリコン州まで巡って、キリストの福音をあまねく宣べ伝えました。 20このようにキリストの名がまだ知られていない所で福音を告げ知らせようと、わたしは熱心に努めてきました。それは、他人の築いた土台の上に建てたりしないためです。
21「彼のことを告げられていなかった人々が見、
聞かなかった人々が悟るであろう」
と書いてあるとおりです。
🌸 答唱詩編 詩編98 典149 ①②
アレルヤ唱 典268 ⑬
🌸 福音朗読 (ルカ16.1-8)
ルカによる福音
1〔そのとき、イエスは、弟子たちに言われた。〕「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。 2そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』 3管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。 4そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』 5そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。 6『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』 7また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』 8主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
託された財産の管理についての過ちが見つかり、管理の仕事から追われそうになった管理人が、何とか生き延びるために知恵をこらし、主人からほめられたという話です。それも、主人に借金をしているものに、借金を値切って恩を売るという不正な方法を使って、それをしたというのです。
これは一見、この世の富についての話のように聞こえますが、実は、もっと価値のある富、尽きることのない永遠のいのちについての話なのです。わたしたち信仰者は、洗礼によって信仰をいただき、永遠のいのちという大きな財産をいただき、その管理を任されていると言ってよいでしょう。
だれの人生にもあるように、信仰生活にも、危機が訪れます。神様が信じられなくなる、信じることが無意味に思える、あるいは、自分の落ち度や怠慢により、神様との関係が悪化し、どうにもならなくなるなど。
信仰は、自分を神に全面的に委ねることで、それは神から無償で与えられる恵みです。同時に、人間には、信仰を生きるための様々な努力も求められています。信仰があれば、努力が免除されるわけではありません。
人々がこの世の富を得るために懸命に努力しているように、はたして「光の子」と言われるわたしたち信仰者は、尽きることのない永遠のいのちのために、どれだけ知恵と力を尽くしているでしょうか。振り返る恵みを祈りましょう。(S.T.)