わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。
🌸 第一朗読 (シラ4・11-19)
シラ書
11知恵は、それに従う子らを高め、これを追い求める者を助ける。12知恵を愛する者は、命を愛する者。朝早く起きて知恵を求める者は、喜びに満たされる。13知恵を得る者は、誉れを受け継ぎ、行く先々で、主から祝福される。14知恵に仕える者は、聖なる方に奉仕する者。知恵を愛する者は、主から愛される。15知恵に聞き従う者は、諸国民を正しく裁き、知恵に心を向ける者は、安らかに暮らす。16知恵を信頼すれば、知恵が与えられ、子孫もその知恵を受け継ぐ。17知恵は、最初、お前を険しい道に連れて行き、恐れの気持を抱かせて、おじけさせる。知恵の試練は、お前を激しく苦しめる。知恵は、お前を信頼するまで、数々の要求を突きつけて、お前を試みる。18だがすぐに、知恵は再びお前のもとに来て、お前を喜ばせ、その真意を明らかに示す。19しかし、お前が道をそれるなら、知恵はお前を見捨て、お前が破滅していくにまかせる。
🌸 答唱詩編 詩編119 典125③④
答:主よ、あなたは永遠のいのちのことば。
金よりも純金よりも、
あなたのすすめをわたしは愛する。
神よ、あなたの定めはすばらしい。
心を尽くしてわたしはそれを守る。【答】
あなたのことばは真理に基づく。
正しいさばきはとこしえに変わることがない。
すばらしい宝を見つけた人のように、
わたしはあなたの仰せを喜ぶ。【答】
アレルヤ唱 典269㊼
アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マルコ9・38-40)
マルコによる福音
そのとき、38ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」39イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口は言えまい。40わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。」
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🌸 分かち合い
「わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである」と、イエスは言われる。短いやりとりの記録だが、ルカにも、ほぼ同じ言葉で出る。どちらも、問題を持ちかけるのは、イエスから信頼を寄せられた弟子、ヨハネ。ヨハネ福音書の著者とは、あまりにもかけ離れた態度。若気のいたりだろうか。
「一致」(unity)という言葉は、現代、色々なところで使われる。教会一致、党派内の一致、意見の一致等。現実には、それがどれほど難しいか、日々体験する。似た言葉に「統一」(unification)がある。一致は、どちらかと言うと、違う者同士が一緒になること、どこかで妥協点を見出すとか、どちらかが折れるとかして、共通点を見出すことで到達する状況。それに対して、統一は、力で、強制力で、無理やりにでも、ひとつになろうとして生み出される状態。違いにあまりにこだわると、一致は実現しない。違いを放置すれば、対立や抗争をうみ、高ずれば、争い、戦争の原因にもなる。違いを認め、違いを互いに受け入れること、これが一致であり、さらに言えば、愛である。
イエスが目指されたのは、当然ながら「一致」であって、「統一」ではない。「皆が一つになるように」、「すべての人を一つにしてください」とのイエスの祈りは、まさに、三位の神の間の愛による一致が人々の間にあるようにとの、切なる願いである。きなくさい時代、「一致」への歩みが絶たれないよう、祈ろう。(S.T.)