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教皇の意向:希望の巡礼者 (12月)

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待降節第三主日C年(12/15)

ヨハネは、ほかにもさまざまな勧めをして、民衆に福音を告げ知らせた
集会祈願

希望の源である神、いつもわたしたちのそばにいてくださる方、あなたのもとに集まり、キリストを待つわたしたちを、聖霊によって一つにしてください。喜びのうちに、あなたを賛美し続けることができますように。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

🌸 第一朗読 (ゼフャニヤ3.14-17)

ゼファニヤの預言

14娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
15主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。
16その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
力なく手を垂れるな。
17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」

🌸 答唱詩編 詩編 典164 ①②③④

 喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、
わたしの救い。  【答】

神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざを全ての民に伝え、
その名の誉れを語り告げよう。 【答】

神は不思議なわざを成し遂げられた。
神をほめ歌い、
そのわざを世界にのべ伝えよう。 【答】

イスラエルの聖なるかたはおまえたちの中で偉大。
シオンに住む者は声をあげて喜び歌え。  【答】

🌸 第二朗読 (フィリピ4.4-7)

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

 4〔皆さん、〕主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。 5あなたがたの広い心がすべての人に知られるようになさい。主はすぐ近くにおられます。 6どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 7そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。

アレルヤ唱 典255(第三主日)

アレルヤ、アレルヤ。神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。アレルヤ、アレルヤ。

🌸 福音朗読 (ルカ3.10-18)

ルカによる福音 

 10〔そのとき、群衆はヨハネに〕「わたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。 11ヨハネは、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」と答えた。 12徴税人も洗礼を受けるために来て、「先生、わたしたちはどうすればよいのですか」と言った。 13ヨハネは、「規定以上のものは取り立てるな」と言った。 14兵士も、「このわたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。ヨハネは、「だれからも金をゆすり取ったり、だまし取ったりするな。自分の給料で満足せよ」と言った。
 15民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。 16そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。 17そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」 18ヨハネは、ほかにもさまざまな勧めをして、民衆に福音を告げ知らせた。

奉納祈願

恵み深い天の父よ、この食卓を囲むわたしたちを聖霊で満たしてください。ともにいてくださるキリストの愛を深く味わうことが出来ますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

拝領祈願

いのちの源である神よ、主の食卓で養われたわたしたちを導いてください。あなたからいただいた喜びを多くの人と分かち合い、救いの訪れを世界に告げ知らせることができますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 先週の主日に続いて、福音では洗礼者ヨハネのことが読まれました。メシアの到来に向けて人々の心を準備する使命を帯びたヨハネは、群衆に向かってやや厳しい言葉をもってメシアの到来を、裁きの時として語りました。「差し迫った神の怒りを免れると、だれが教えたのか。悔い改めにふさわしい実を結べ」と。

 しかし、それに続く今日の部分では、「わたしたちはどうすればよいのですか」と問う人々に、ヨハネは、むしろ具体的に、持っているものを持たない人と分かち合うこと、不正に組せず、正しい行いをすること、そして、自分の欲を抑えて、自分の分に満足するように、と勧めます。そして、もしや、自分がメシアではないかと思う人に向かって、「わたしよりも優れた方が来られる。わたしはその方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる」と言います。ヨハネは、あくまでも自分が橋を架けるもの、新しい時代の到来を告げる使者(メッセンジャー)に過ぎないと告白します。

 今日の待降節第三主日は「喜びの主日」と呼ばれます。聖書朗読箇所には、喜びという言葉が繰り返し出てきました。預言者ゼファニヤは「娘シオンよ、喜べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ」と始まります。それは、イスラエルの民が被っていた禍が終わり、かつての都、エルサレムに戻り、繁栄がもたらされることを告げる慰めの告知です。「娘エルサレムよ、心の底から喜び踊れ。主はお前に対する裁きを退け、お前の敵を追い払われた。」自分たちが力で勝ち取った勝利ではなく、無力の中で、主なる神が与えてくださる解放を喜ぶ約束です。

 第二朗読のフィリピの教会への手紙にも、喜びが溢れています。「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。」パウロがこう言うのは、自分の宣教が実を結んだことを、共に喜ぶ、ということではありません。実は、パウロは、この手紙を獄中から書いています。福音のために縄目を受け、自由を奪われ、身の危険を感じている状態で書いているのです。それは、自分の力で手にした成功ではなく、主がお与えになる、しかも、厳しい迫害の中でも与えてくださる、主からくる喜びについて語っているのです。

 聖書が語る「喜び」は、人が努力によって勝ち取るものではなく、もっぱら神が人に無償でお与えになる恵みとしての喜びです。聖マリアが、天使ガブリエルからお告げを受けたときの言葉「アヴェ」は、まさに「喜びなさい」という意味です。それは、「恵みをいただいた方」だからです。マリアは救い主の母となる特別な恵みをいただいた方ですが、喜びは、だれにでも与えられるものです。それは、決して遠く、手の届かない所、あるいは、遠い将来のことではありません。パウロは先の手紙の中で、「主はすぐ近くにおられます」と言い、預言者ゼファニヤは「王なる主はお前の中におられる」、「主なる神はお前のただ中におられる」と言います。それは、ただの慰めの言葉ではありません。

 復活された主イエスの霊は、今の時代、わたしたちの間に、いつもいてくださいます。わたしたちが気づきさえすれば、わたしの身近なところにいて、わたしの答えを待っておられるのです。わたしの近くで、わたしの手助け、呼びかけ、わたしの眼差し、微笑みを待っている人に、いただいた喜びを分かち合うこと、これこそ、わたしたちにできる、福音宣教です。フランシスコ教皇は『福音の喜び』の中で書いておられます、「あなたが見つけたもの、あなたを生かすもの、あなたに希望を与えているもの、これこそあなたが他者に伝えるべきものです」と。

 間近に迫った降誕祭を迎える今、こうした主からくる喜びを一層深く味わう恵みを祈りましょう。そして、その喜びを、日々出会う人々、特に、生活に困難を抱えている人、病気で入院している方、高齢で寂しい日々を送っておられる方と分かち合う恵みを祈りましょう。「あなたからいただいた喜びを多くの人と分かち合い、救いの訪れを世界に告げ知らせることができますように」(聖体拝領祈願)。(S.T.)

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御言葉の典礼を読み続く🌸

聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
どうぞよろしくお願い致します。