集会祈願
???? 第一朗読 (エレミヤ31:1-7)
1そのときには、と主は言われる。わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。
2主はこう言われる。
民の中で、剣を免れた者は
荒れ野で恵みを受ける
イスラエルが安住の地に向かうときに。
3遠くから、主はわたしに現れた。
わたしは、とこしえの愛をもってあなたを愛し
変わることなく慈しみを注ぐ。
4おとめイスラエルよ
再び、わたしはあなたを固く建てる。
再び、あなたは太鼓をかかえ
楽を奏する人々と共に踊り出る。
5再び、あなたは
サマリアの山々にぶどうの木を植える。
植えた人が、植えたその実の初物を味わう。
6見張りの者がエフライムの山に立ち
呼ばわる日が来る。
「立て、我らはシオンへ上ろう
我らの神、主のもとへ上ろう。」
7主はこう言われる。
ヤコブのために喜び歌い、喜び祝え。
諸国民の頭のために叫びをあげよ。
声を響かせ、賛美せよ。そして言え。
「主よ、あなたの民をお救いください
イスラエルの残りの者を。」
???? 答唱詩編65 詩編 典183②③
アレルヤ唱 典
???? 福音朗読 (マタイ15:21-28)
マタイによる福音
21イエスはそこをたち、ティルスとシドンの地方に行かれた。 22すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。 23しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」 24イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。 25しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。 26イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、 27女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」 28そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。
奉納祈願
拝領祈願
???? 分かち合い
カナンに住んでいる女性は異邦人でありながら主イエスを「主」と呼ぶばかりか、「ダビデの子」と呼んでいます。「ダビデの子」という称号には神が末の日に送ってくださる「メシア、救い主」という意味がこめられています。異邦人でありながら主イエスを約束された救い主と信じているのです。女性は娘の病をいやしていただきたくて必死で叫んでいます。主イエスを信じるだけでなく、「わたしを憐れんでください、娘が悪霊にひどく苦しめられています」と、娘と一心同体になって救いを求めている姿が描かれています。しかし、主イエスは彼女にその要求をしてくださいません。なぜでしょうか。
弟子たちにとっても、主イエスがこの女性を顧みてくださらないのが不思議だったのかもしれません。主イエスはまずイスラエルの家の失われた羊のところに遣わされた、これはマタイが受難と復活以前の部分で強調するところです。弟子たちを派遣するときにも、主イエスは弟子たちに「むしろイスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい」と言っておられました。
主イエスの答えは、この女性にとってあまりにも酷ではないでしょうか。しかし彼女はくじけません。はため傍目には冷淡に見える主イエスにますます近づきひれ伏して「主よ、どうかお助けください」と執拗に懇願し続けます。
この言葉を耳にした主イエスはこの女性に神のご意志に従う堅固な決意があるのを認め、感無量で言われました。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされたのです。こうしてやがて始まる異邦人宣教の先取りが実現しました。
終わりに一言で言えば、マタイ福音書では、主イエスの復活後にはじめて異邦人に向けての宣教開始が宣言されます。主イエスの復活後十二人がかねて主に指定されていたガリラヤの山に登ると、主が現れ、「あなたがたは全世界に行って、すべての人に福音を伝えなさい」(マタイ28:19)と命じられました。神のご計画でイスラエルが選ばれたのは、イスラエルをとおして全人類が救われることが神のご計画だからです。主イエスがわたしたちに期待されるのも、ひたすら奇跡を求める信仰ではなく、神のご計画を全面的に受け入れ、キリストに結ばれて神に向かって歩み続ける信仰です。
この女性の模範にならい、私たちの祈りに対して時々神様が答えてくださいませんが、もしそのまま祈り続けるならば、神様は豊かに与えてくださるという信仰を深めることができますように。