年間第十三金曜日(7/5)
『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』
集会祈願
🌸 第一朗読 (アモス8:4-6、9-12)
アモスの預言
4このことを聞け。
貧しい者を踏みつけ
苦しむ農民を押さえつける者たちよ。
5お前たちは言う。「新月祭はいつ終わるのか、穀物を売りたいものだ。安息日はいつ終わるのか、麦を売り尽くしたいものだ。エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう。 6弱い者を金で、貧しい者を靴一足の値で買い取ろう。また、くず麦を売ろう。」
9その日が来ると、と主なる神は言われる。
わたしは真昼に太陽を沈ませ
白昼に大地を闇とする。
10わたしはお前たちの祭りを悲しみに
喜びの歌をことごとく嘆きの歌に変え
どの腰にも粗布をまとわせ
どの頭の髪の毛もそり落とさせ
独り子を亡くしたような悲しみを与え
その最期を苦悩に満ちた日とする。
11見よ、その日が来ればと
主なる神は言われる。
わたしは大地に飢えを送る。
それはパンに飢えることでもなく
水に渇くことでもなく
主の言葉を聞くことのできぬ飢えと渇きだ。
12人々は海から海へと巡り
北から東へとよろめき歩いて
主の言葉を探し求めるが
見いだすことはできない。
🌸 答唱詩編 詩編119 典75①③
アレルヤ唱 典276(諸聖人)
🌸 福音朗読 (マタイ9:9-13)
マタイによる福音
〔そのとき、イエスは〕通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。 10イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた。 11ファリサイ派の人々はこれを見て、弟子たちに、「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。 12イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。 13『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「徴税人や罪人と一緒に食事をする」と言って、イエスは非難される。徴税人は、イエスの時代、イスラエルを支配下に置いたローマに納める税金の取り立てを行う人。外国に納める税金の取り立てを行うとして、人々から嫌われ、罪人と同列に置かれた。実際に、税金の上米をはねていたかどうかわからないが、そうした職業についていることで、マイナスの評価を受けていた。
イエスが、従事する職業はともかく、罪人と目される人をお召しになったことは否定できない。弟子の頭とされたペトロは、肝心な時に、師を否むという大きな失敗をした。異邦人の使徒として教会の発展にだれよりも尽くしたパウロも、復活のイエスとの出会いを経験するまでは、キリストに従うものを捕える勢力に加担していた。教会の偉大な神学者・教会博士として尊敬されるアウグスチヌスは、若い時には、母を悲しませる放蕩生活に明け暮れていた。
イエスは、放蕩息子の回心を喜ばれる父の愛について語り、イエスと共に十字架にかかり、自らの罪を悔いた盗賊に楽園を約束された。旧約の民もうたう、「主は、打ち砕かれた心に近くいまし、悔いる心を救ってくださる」(詩34.19)と。徴税人というレッテルを貼られたマタイを弟子の一人に選ばれた主の愛を深く味わい、罪深い自分にさえ、目をかけられた主の愛を人々にも告げ知らせる恵みを願おう。(S.T.)