集会祈願
🌸 第一朗読 (一ヨハネ1:1-4)
使徒ヨハネの手紙
1〔愛する皆さん、〕初めからあったもの、わたしたちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。すなわち、命の言について。―― 2この命は現れました。御父と共にあったが、わたしたちに現れたこの永遠の命を、わたしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。―― 3わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです。 4わたしたちがこれらのことを書くのは、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになるためです。
🌸 答唱詩編 詩編97 典25 ①③
アレルヤ唱 典258(ヨハネ使徒)
🌸 福音朗読 (ヨハネ20:2-8)
ヨハネによる福音
2〔週の初めの日、マグダラのマリアは〕シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」 3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。 4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。 5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。 6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。 7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。 8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
聖ヨハネ使徒福音記者 使徒ヨハネと言うと、いかにも温和で優しいイエスの弟子というイメージがあるが、共観福音書を読むと、ゼベダイの子、ヤコブの兄弟で、二人とも、かなり気性の激しい、人間的な側面があったことも教えられる。しかし、イエスに殊のほか愛され、大事な場面にはいつも登場し、受難直前のゲッセマネの園でのイエスの祈りに同伴したことも記されている。イエスの復活後、エルサレム教会の柱として、ペトロとともに、教会の礎を築いたことも、使徒言行録やパウロの手紙から読み取れる。
しかし、ヨハネの名を後代に知らしめたのは、何よりも、彼の名で書かれた『ヨハネ福音書』ではないだろうか。この四番目の福音書の著者がだれであるかは大きな謎だが、使徒ヨハネの影響を大きく受けた人物であることは間違いない。イエスの教えと働き、その生涯だけでなく、イエスの思い、父なる神との一体性、そして、何よりも、愛そのものである神を、人となって見える形であらわにするという「受肉」の思想を明らかにしたのはヨハネ福音書である。
ヨハネ福音書は、共観福音書と比べて、数少ない癒しの出来事しか記していない。しかし、それに続くイエスの言葉を通して、イエス自らが、御自分がだれであるか、何を望んでおられるかを雄弁に語られる。イエスを知るために欠かすことが出来ないのがヨハネ福音書である。この大使徒であり、福音記者である聖人が、教会に、また人類に与えられたことをあらためて感謝し、その思いを一層深く味わう恵みを祈ろう。(S.T.)