主よ、この罪を彼らに負わせないでください
集会祈願
🌸 第一朗読 (使徒言行録6:8-10、7:54-60)
使徒たちの宣教
8〔そのころ、〕ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。 9ところが、キレネとアレクサンドリアの出身者で、いわゆる「解放された奴隷の会堂」に属する人々、またキリキア州とアジア州出身の人々などのある者たちが立ち上がり、ステファノと議論した。 10しかし、彼が知恵と“霊”とによって語るので、歯が立たなかった。
7-54人々はこれを聞いて激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。 55ステファノは聖霊に満たされ、天を見つめ、神の栄光と神の右に立っておられるイエスとを見て、 56「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」と言った。 57人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、 58都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。 59人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。 60それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。
🌸 答唱詩編 詩編31 典145 ①③
答:父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。
神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。
とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。
あなたの手にわたしの霊をゆだねる。
神よ、まことの神よ、わたしをあがなってください。【答】
神よ、わたしはあなたにより頼む。
「あなたこそわたしの神。」
あなたの手にわたしの生涯をゆだねる。
わたしの敵から救い出してください。【答】
アレルヤ唱 典2588(聖ステファノ殉教者)
アレルヤ、アレルヤ。神の名によって来られるかたに賛美。神はわたしたちを照らしてくださる。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (マタイ10:17-22)
マタイによる福音
17〔そのおき、イエスは弟子たちに言われた。〕人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。 18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。 19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。 20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。 21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。 22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
クリスマスの祝いの中で、十字架について触れることを避けようとする思いが正直あるが、教会は、それを戒めるかのように、あえて、降誕祭の翌日に最初の殉教者ステファノの祝日を定めている。『毎日の読書』に取り上げられている5世紀、北アフリカの司教フルゲンチオは手紙の中で記します、「昨日わたしたちは、永遠の王のこの世での誕生を祝いました。今日は、一兵士の勝利の受難を祝います。つまり、昨日わたしたちの王は肉をまとい、処女の胎から出て、この世界においでになりましたが、今日、兵士は肉の幕屋を出て、勝利者として天国に上ります」と。2日後は、幼子殉教者の祝日ですが、あわせて、その誕生を祝う神の子・イエスという方が、どのような方なのか悟る恵みを願いながら、聖ステファノの殉教をお祝いしましよう。
ステファノは、誕生間もない教会が、ユダヤ教とまだ袂を分かっていない時に、大胆にも、律法とエルサレム神殿に執着するユダヤ教の指導者に対して、厳しい批判の言葉を投げかけ、イエスこそが新しい真の神殿であると主張し、最初の殉教者となりました。パウロさえ、まだ、ユダヤ教ファリサイ派に属し、ステファノ迫害に加担した時代です。教会が迫害と共に、ユダヤ人世界から大きく飛躍して行く大事な転換点となったステファノの殉教に思いをいたし、信じていることを恐れなく公言し、自分を差し出す勇気を願いましょう。(S.T. )