集会祈願
🌸 第一朗読 (レビ25.1、8-17)
1主はシナイ山でモーセに仰せになった。
8あなたは安息の年を七回、すなわち七年を七度数えなさい。七を七倍した年は四十九年である。 9その年の第七の月の十日の贖罪日に、雄羊の角笛を鳴り響かせる。あなたたちは国中に角笛を吹き鳴らして、 10この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それが、ヨベルの年である。あなたたちはおのおのその先祖伝来の所有地に帰り、家族のもとに帰る。 11五十年目はあなたたちのヨベルの年である。種蒔くことも、休閑中の畑に生じた穀物を収穫することも、手入れせずにおいたぶどう畑の実を集めることもしてはならない。 12この年は聖なるヨベルの年だからである。あなたたちは野に生じたものを食物とする。
13ヨベルの年には、おのおのその所有地の返却を受ける。 14あなたたちが人と土地を売買するときは、互いに損害を与えてはならない。 15あなたはヨベル以来の年数を数えて人から買う。すなわち、その人は残る収穫年数に従ってあなたに売る。 16その年数が多ければそれだけ価格は高くなり、少なければそれだけ安くなる。その人は収穫できる年数によってあなたに売るのである。 17相手に損害を与えてはならない。あなたの神を畏れなさい。わたしはあなたたちの神、主だからである。
🌸 答唱詩編 詩編67 典55 ①③
アレルヤ唱 典
271 ⑧
🌸 福音朗読 (マタイ14.1-12)
マタイによる福音
1そのころ、領主ヘロデはイエスの評判を聞き、 2家来たちにこう言った。「あれは洗礼者ヨハネだ。死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」 3実はヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアのことでヨハネを捕らえて縛り、牢に入れていた。 4ヨハネが、「あの女と結婚することは律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。 5ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。 6ところが、ヘロデの誕生日にヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせた。 7それで彼は娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束した。 8すると、娘は母親に唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、この場でください」と言った。 9王は心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、それを与えるように命じ、 10人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。 11その首は盆に載せて運ばれ、少女に渡り、少女はそれを母親に持って行った。 12それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、イエスのところに行って報告した。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
イエスの様々な言葉、働きが語られた後、突然、洗礼者ヨハネの話が挿入される。それは、ガリラヤ地方の領主ヘロデが、イエスの働きに驚き、あれは、自分が首をはねたヨハネがよみがえったのだ、と思ったからとされている。今日の福音では、洗礼者ヨハネの最後のことが読まれたが、実は、福音書のいろいろな個所で、ヨハネはイエスと関係づけられ、あるいは、比較されて語られる。それだけ、ヨハネの存在がイエスにとって、欠くことのできないものだったからであろう。
ヨハネは、メシアであるイエスのために道を開き、イエスと同じように、神の国の到来を告げ、同じ言葉を使って人々に悔い改めを呼びかけた。ヨハネは、イエスと同じ神の救いの計画の実現のために尽くした神の僕で、人々からメシアではないかとさえ思われた。だが、ヨハネはあくまで、自分はその方の履物のひもを解く値打ちもない、とへりくだり、「彼は栄え、われは衰うべし」(ヨハネ3.30)と、自分の分を弁えて振舞った。そして、二人は、その大きな使命と働きにおいて、相並ぶものでありつつ、また同じような、不条理で、屈辱的な最期を遂げて、神に栄光を帰した。
イエスの活動はヨハネが捕らわれたときから始まるが、彼の死は、イエスにとって大きな痛みとなり、「イエスはこれを聞くと、船に乗ってそこを去り、ひとり人里離れたところに退かれ」(マタイ14.13)た。それ以来、イエスは、ご自分の使命の実現に向けて敢然と進んでゆかれる。(S.T.)