集会祈願
🌸 第一朗読 (ローマ2.1-11)
1すべて人を裁く者よ、弁解の余地はない。あなたは、他人を裁きながら、実は自分自身を罪に定めている。あなたも人を裁いて、同じことをしているからです。 2神はこのようなことを行う者を正しくお裁きになると、わたしたちは知っています。 3このようなことをする者を裁きながら、自分でも同じことをしている者よ、あなたは、神の裁きを逃れられると思うのですか。 4あるいは、神の憐れみがあなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かな慈愛と寛容と忍耐とを軽んじるのですか。 5あなたは、かたくなで心を改めようとせず、神の怒りを自分のために蓄えています。この怒りは、神が正しい裁きを行われる怒りの日に現れるでしょう。 6神はおのおのの行いに従ってお報いになります。 7すなわち、忍耐強く善を行い、栄光と誉れと不滅のものを求める者には、永遠の命をお与えになり、 8反抗心にかられ、真理ではなく不義に従う者には、怒りと憤りをお示しになります。 9すべて悪を行う者には、ユダヤ人はもとよりギリシア人にも、苦しみと悩みが下り、 10すべて善を行う者には、ユダヤ人はもとよりギリシア人にも、栄光と誉れと平和が与えられます。 11神は人を分け隔てなさいません。
🌸 答唱詩編 詩編62 典184 ①②
アレルヤ唱 典272 ㉖
🌸 福音朗読 (ルカ11.42-46)
ルカによる福音
42〔そのとき、イエスは言われた。〕あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。薄荷や芸香やあらゆる野菜の十分の一は献げるが、正義の実行と神への愛はおろそかにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もおろそかにしてはならないが。 43あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ。 44あなたたちは不幸だ。人目につかない墓のようなものである。その上を歩く人は気づかない。」
45そこで、律法の専門家の一人が、「先生、そんなことをおっしゃれば、わたしたちをも侮辱することになります」と言った。 46イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も不幸だ。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
イスラエルの宗教指導者とも言うべきファリサイ派の人々や律法学者たちへの厳しい言葉が続きます。外側だけをきれいにする偽善的態度への非難に続いて、細部にこだわってより重要なものを忘れたり、ひそかに人からの賞賛を求めたりする姿勢などに目が向けられます。ルカに限らず、マルコもマタイも、そうした言葉のためにかなりのスペースをあてています。
いったいなぜ、イエスは悪徳にふける異邦人や偶像礼拝に陥った民族を断罪するのではなく、神に選ばれたイスラエル、しかも、聖書の教えに通じ、神の心を体しているはずのファリサイ派や律法学者たち、いわば、「善人」に厳しい目を向けられるのでしょうか。
それは、だれの心にも潜む「自己欺瞞」から人々を目覚めさせるためではないでしょうか。善意で、神の道を歩んでいると思いながら、その実、神の心とは似ても似つかない、人間的な思いに縛られ、自らも、そして、その影響下にある人々をも苦しめ、救いの喜びから遠ざけているものから解放するためではないでしょうか。彼らが、単なる知識をもつだけではなく、真心から神を礼拝する、ヨハネが言う「霊と真理をもって礼拝する」(ヨハネ4.24)人、パウロが言う「霊の導きに従って生きる」(ガラテヤ5.25)人となることを望んでおられるからでしょう。
現代に生きるわたしたちの心にも巣食う「自己欺瞞」の罠から解放され、真の信仰に目覚める恵みを祈りましょう。(S.T.)