集会祈願
🌸 第一朗読 (エステル〔ギ〕C.12、14-16、23-25)
[12] (その日、)王妃エステルは死の苦悩に襲われて、主に寄りすがった。
[14] そして、イスラエルの神である主に祈った。
17l「主よ、わたしたちの王よ、
あなたは唯一なるお方、
あなたのほかに助け手を持たない
ただひとりでいるわたしを助けてください。
[15] 危険が身近に迫っています。
17m[16] わたしは生まれた時から、
わが先祖の部族の中で聞かされてきました。
主よ、あなたはイスラエルを万民の中から、
我らの先祖をすべての先祖の中から選んで
御自分の永久の遺産とし、
イスラエルに約束したことを実現されたと。
17r[23] 主よ、思い起こしてください。
この悩みの時、あなた御自身をお示しください。
神々を支配し、すべての主権を握る王よ、
わたしに勇気をお与えください。
17s[24] このわたしに獅子の前で雄弁な言葉を語らせ
その心を変えて我らに戦いを挑む者を憎ませ、
その仲間と共に葬り去ってください。
17t[25] 御手をもってわたしたちを救ってください。
主よ、あなたのほかに頼るもののない
ただひとりでいるわたしを助けてください。
あなたはすべてをご存じです。」
🌸 答唱詩編 詩編138 典134 ①③
アレルヤ唱 典261 ①
🌸 福音朗読 (マタイ7.7-12)
マタイによる福音
7〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。 8だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。 9あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。 10魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。 11このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。 12だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
祈りは、信仰者にとって、宗教者にとって、最も基本的なことだが、同時に、最も誤解され、忌避されてきたものかもしれない。イスラエルの民は、決して道徳的にすぐれた民だとは言えないが、同時に、祈ることを学び、伝え、人類に貴重な遺産を残した民だと言えよう。
イエスは、そんな民の中に生まれ、生きながら、祈りについて教えた。「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門を叩きなさい。そうすれば、開かれる。」何度も聞いた、きれいな言葉。しかし、多くの人は、祈りに対して不信感を抱いている。いくら祈っても、苦しみから解放されず、病気が癒されることなく、解決の道は開かれず、平和は訪れない等。祈りは気休めで、時間の無駄、祈りは、自分の努力を惜しむ言い訳に過ぎない等。
聖書が教える祈りは、決して、きれいごとではない。聖書の民は、必死で、生ける神に向かって祈った。第一朗読で読まれたエステルの祈りは、まさに、祈りの典型である。頼る者がどこにもいない、孤独な苦しみの中で、神に訴えかけた。
イエスは、祈った願いがそのまま実現するとは教えない。むしろ、「あなた方の父は、求める者に良い物を与えてくださるにちがいない」、と言われる。祈ることで、祈る人の心が変わり、置かれた現実が新しい意味を持ち始める。祈ることで、人は、自分の力ではなく、大きな力に支えられ、生かされていることを実感し、神がおられ、祈りを聞いてくださることを体験するのだ。へりくだりの心をもって、神の前に座ろう。(S.T.)