集会祈願
聖なる父よ、御子キリストは栄光の姿のうちに現れ、聖書のことばを通して、弟子たちに救いの神秘を説き、神の子供となるすばらしさを示されました。御ひとり子の声に従うわたしたちが、キリストとともにあなたの国を継ぐものとなりますように。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 第一朗読 (ダニエル7:9-10、13-14)
9なお見ていると、
王座が据えられ
「日の老いたる者」がそこに座した。
その衣は雪のように白く
その白髪は清らかな羊の毛のようであった。
その王座は燃える炎
その車輪は燃える火
10その前から火の川が流れ出ていた。
幾千人が御前に仕え
幾万人が御前に立った。
裁き主は席に着き
巻物が繰り広げられた。
13夜の幻をなお見ていると、
見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り
「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
14権威、威光、王権を受けた。
諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
彼の支配はとこしえに続き
その統治は滅びることがない。
または二ペトロ1:16-19
16わたしたちの主イエス・キリストの力に満ちた来臨を知らせるのに、わたしたちは巧みな作り話を用いたわけではありません。わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。 17荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」というような声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました。 18わたしたちは、聖なる山にイエスといたとき、天から響いてきたこの声を聞いたのです。 19こうして、わたしたちには、預言の言葉はいっそう確かなものとなっています。夜が明け、明けの明星があなたがたの心の中に昇るときまで、暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください。
🌸 答唱詩編 詩編97 典25①②
答 栄光は世界に及び、すべてを超えて神は偉大。
神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。 【答】
天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。 【答】
アレルヤ唱 典266
アレルヤ、アレルヤ。これはわたしの意にかなう愛する子。彼に聞け。アレルヤ、アレルヤ。
🌸 福音朗読 (ルカ9:28b-36)
〔そのとき、〕イエスは、ペトロ、ヨハネ、およびヤコブを連れて、祈るために山に登られた。 29祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。 30見ると、二人の人がイエスと語り合っていた。モーセとエリヤである。 31二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた。 32ペトロと仲間は、ひどく眠かったが、じっとこらえていると、栄光に輝くイエスと、そばに立っている二人の人が見えた。 33その二人がイエスから離れようとしたとき、ペトロがイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」ペトロは、自分でも何を言っているのか、分からなかったのである。 34ペトロがこう言っていると、雲が現れて彼らを覆った。彼らが雲の中に包まれていくので、弟子たちは恐れた。 35すると、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」と言う声が雲の中から聞こえた。 36その声がしたとき、そこにはイエスだけがおられた。弟子たちは沈黙を守り、見たことを当時だれにも話さなかった。
奉納祈願
父である神よ、御ひとり子の栄光をたたえてささげるこの供えものをとうといものにし、キリストの輝きによって、わたしたちの心のやみを照らしてください。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
拝領祈願
聖なる父よ、あなたの御子の変容の輝きのうちに、その栄光の姿を示してくださいました。この祝日にいただいたいのちの糧によって、わたしたちがキリストの姿に変えられていきますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
🌸 分かち合い
異常な暑さと、地域によっては大雨の中で、今年も8月6日を迎えました。77年前の今日、世界ではじめて原爆が広島に投下され、約10万人を超える犠牲者が出たと言われる。
広島では、昨日から一連の平和行事が始まり、今日も間もなく、「原爆とすべての戦争犠牲者のためのミサ」が捧げられます。あらためて、一瞬にして自らの命を奪われた方々、愛する家族、住み慣れた家、財産、そうしたすべてを失われた多くの方々の犠牲を悼み、負傷者の治療・支援に尽くされた方々、その後、町の復興のために尽力された無数の方々のために感謝と敬意を捧げましょう。そして、この日、広島に思いを向ける時、かつて広島を訪れたヨハネ・パウロ2世が、「過去を振り返ることは、将来に対する責任をになうことです」と言われたように、あの大きな犠牲が、将来のよりよい社会、平和な世界を作るための、強い動機になるよう、祈りましょう。
8月6日は、神の特別なはからいによって、全世界の教会が「主の変容」を祝う日と重なります。日々生活を共にしてきた主が、ある日、突然、地上のものとも思えない輝きに満ちた姿に変わり、弟子たちは驚き以上の衝撃を受けました。まさに、そこに神がおられるとの実感を覚えたのです。しかし、それは、ほんのわずかな時間の中の経験でした。やがて訪れる復活体験の前触れだったのでしょうか。
主の変容は、自ら弱さと限界に満ちた人間の世界に宿られ、それを神の世界に変えるという、神ご自身の壮大な計画に思いを致す貴重な機会です。今も矛盾と痛みに満ちた世界に生きるわたしたちが、主の栄光を仰ぐ日まで、平和の実現のため希望をもって生きることができるよう、恵みを祈りましょう。(S.T.)