集会祈願
🌸 第一朗読 (一コリント9.16-19、22-23)
16〔皆さん、〕わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。 17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。 18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。
19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。
22弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。 23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。
🌸 答唱詩編 詩編96 典148 ①②
アレルヤ唱 典256 聖フランシスコ・ザビエル
🌸 福音朗読 (マルコ16.15-20)
マルコによる福音
15〔そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて〕言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。 16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。 17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。 18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」
19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。 20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。〕
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
聖フランシスコ・サビエルと言えば、日本に最初にキリスト教を伝えた人として小学生でも知っている有名な人物。東洋への宣教の使命を帯びてポルトガルを出てから8年、インドやマラッカを経て、はからずもたどり着いたのが鹿児島、1549年のこと。日本での3年にも満たない、休むことのない活動の後、豊後を後にしてゴアに戻り、中国入国を目論見つつ、上川島で46歳の生涯を終えたことは、ご承知の通り。
その労苦に満ちた宣教活動については、多くの書物が書かれ、人々の知るところだが、そもそも、どうしてそのような波瀾にとんだ人生を歩むことになったか、知る人は多くはない。
フランシスコは、スペインのナバラ王国の要職にあった父親が治めるサビエル城に生まれたが、戦いに明け暮れる日々の中、戦に倒れた軍人の兄たちと異なり、ゆくゆくは、父親同様の道を歩むべく、当時の学問の中心、パリ大学に進む。しかし、その学寮で共に生活することになった胡散臭い男、イグナチオの度々の勧めにより、人生についての考えをあらため、さらに30日におよぶ霊操を受けた結果、人生が180°変わることになる。パウロやイグナチオが経験した「回心」の経験である。イグナチオと違い、彼が自分の回心について記したものがないので、どのように世俗的な夢から、イエスの友として、新たな人生を歩み出したかの詳細を知ることはできない。しかし、その後の彼の人生の展開、特に、誕生したばかりのイエズス会の重要なメンバーでありながら、単身、東洋への旅に出、様々な困難を乗り越えて宣教の道を先へ先へと進み、その実りを味わうことなく、大陸を目の前にした孤島で最期を迎えたことを考えると、その回心がどれほど彼に大きなインパクトになったかは想像にあまりある。
フランシスコの姿を描いた絵はたくさんあるが、多くに共通するのは、赤く燃えるように描かれた心臓である。それは、まさに、彼の生涯、つねに彼を生かし続けたイエスの愛、また、それに応えた彼の愛を表すにふさわしい形ではないだろうか。(S.T.)