集会祈願
🌸 第一朗読(使徒言行録4.32-37)
32信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。 33使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。 34信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、 35使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。 36たとえば、レビ族の人で、使徒たちからバルナバ――「慰めの子」という意味――と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフも、 37持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。
🌸 答唱詩編 詩編93 典39 ①③
アレルヤ唱 典265 ⑨
🌸 福音朗読 (ヨハネ3.7a-15)
ヨハネによる福音
7〔そのとき、イエスはニコデモに言われた。〕『あなたがたは新たに生まれねばならない。 8風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」 9するとニコデモは、「どうして、そんなことがありえましょうか」と言った。 10イエスは答えて言われた。「あなたはイスラエルの教師でありながら、こんなことが分からないのか。 11はっきり言っておく。わたしたちは知っていることを語り、見たことを証ししているのに、あなたがたはわたしたちの証しを受け入れない。 12わたしが地上のことを話しても信じないとすれば、天上のことを話したところで、どうして信じるだろう。 13天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。 14そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。 15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
「あなたがたは新たに生まれなければならない」
昨日から、ヨハネ福音書の若い部分が順次読まれている。昨日に続くニコデモとの対話でのイエスの言葉。「人は、新たに生まれなければ神の国を見ることはできない」、「だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることができない」、と。そして、今日の箇所の終わりに、「人の子も上げられねばならない」とあった。
ヨハネ福音書は、出来事の時系列よりも、結論をはじめに提示する傾向がある。ニコデモとの対話のわかりにくさもそこから来るのかもしれない。
人は一度母の胎を出て誕生したならば、それ以降は、死ぬまで自力で生き、人間としての生はそれがすべてだと思いこんでいる。しかし、イエスは、そうした人間の生を超える神のいのち、神の世界を人々にもたらすために人となられた。その世界は、あたかも「風」がどこから来て、どこへ行くかわからないように、人間にとって気づかれず、意識を超えた世界である。しかし、イエスは、そこに生きることこそが、人間本来の生であることを教え、それを可能にするために、自ら人となり、苦しみを受け、十字架に「上げられた」。
イエスが苦しみを通って、復活のいのちに入られたように、人間も、イエスの死に与る「水と霊によって」、さらには、人生の様々な苦しみの経験を通して、新たに生まれ、人間の力をはるかに超えた神の世界、永遠のいのちに入る恵みが与えられるのである。(S.T.)
第一朗読冒頭の使徒言行録4章32節だけでも実現すれば本当に素晴らしいと思うが、それには、福音でニコデモにイエスが述べられていること、分かち合いで言われている、人間の力をはるかに超えた神の世界を知ることが必要だろう。
それには、イエスと同じく、人の子として、我々も上げられなければならない。