集会祈願
🌸 第一朗読 (創世記17:3-9)
〔その日、神は、ひれ伏しているアブラハムに〕語りかけて言われた。
4「これがあなたと結ぶわたしの契約である。あなたは多くの国民の父となる。 5あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。あなたを多くの国民の父とするからである。 6わたしは、あなたをますます繁栄させ、諸国民の父とする。王となる者たちがあなたから出るであろう。
7わたしは、あなたとの間に、また後に続く子孫との間に契約を立て、それを永遠の契約とする。そして、あなたとあなたの子孫の神となる。 8わたしは、あなたが滞在しているこのカナンのすべての土地を、あなたとその子孫に、永久の所有地として与える。わたしは彼らの神となる。」
9神はまた、アブラハムに言われた。
🌸 答唱詩編 詩編105 典94②③
アレルヤ唱 典261③
🌸 福音朗読 (ヨハネ8:51-59)
ヨハネによる福音
〔そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。〕51はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」 52ユダヤ人たちは言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者たちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』と言う。 53わたしたちの父アブラハムよりも、あなたは偉大なのか。彼は死んだではないか。預言者たちも死んだ。いったい、あなたは自分を何者だと思っているのか。」 54イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。 55あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。 56あなたたちの父アブラハムは、わたしの日を見るのを楽しみにしていた。そして、それを見て、喜んだのである。」 57ユダヤ人たちが、「あなたは、まだ五十歳にもならないのに、アブラハムを見たのか」と言うと、 58イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、『わたしはある。』」 59すると、ユダヤ人たちは、石を取り上げ、イエスに投げつけようとした。しかし、イエスは身を隠して、神殿の境内から出て行かれた。
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
ヨハネ福音書の長い8章の結びの部分が読まれた。そこには、アブラハムという名が繰り返し出るが、それは、イエスが持ち出したのではなく、ユダヤ人たちが言い出した名前である。彼らにとって、アブラハムはモーセやエリヤに勝る大事な先祖。ユダヤ人の誇りの源と言ってもよい人物。アブラハムの子孫であることがユダヤ人のアイデンティティの中心にある。
事実、旧約聖書(創世記)の中で、あえて「歴史」と言えるものはアブラハムの時代から、それ以前は「神話」と言ってよい。イスラエル民族の出発・起源とも言える人物。創世記を読むと、アブラハムについての話し(伝承)は12章、15章、17章、22章に記され、神の約束、契約、また誓いの対象としてアブラハムが描かれている。聖書によって養われ、導かれたユダヤ人が、アブラハムの子孫であることを、それほど誇りに思ったとしても無理はない。
しかし、アブラハム自身は自らの小ささ、無力さを知り尽くした、極めて、謙遜な人だった。彼は、あえて比較すれば、聖母マリアのように、神ご自身の偉大さを表わす器のような存在と言える。しかし、ユダヤ人は、むしろ、自分たちがアブラハムの子孫であり、アブラハムが自分たちの父であることを誇りにする。イエスはまさに、その考えに挑戦して言われる、「アブラハムが生まれる前から、『わたしはある』」と。ユダヤ人にとって、許すことのできない発言をもって、ご自分が何者であるかを明かされるのである。(S.T.)
自分の小ささを知ること
本当に大切
知解と熱心
一見良さげだが
悪魔は様々な知解と過剰な熱心さで混乱させる(十字架の聖ヨハネ)